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ICT駆使した学習支援環境整備 鹿追高校

グーグル・クラスルームのトップ画面を示す(右から)熊谷、金谷両教諭

 【鹿追】鹿追高校(俵谷俊彦校長)は新型コロナウイルスに伴う臨時休校を受け、ICT(情報通信技術)を駆使した学習支援環境を整備した。同校は「ソサエティ5・0」(超スマート社会)を意識した教育を方針の一つに掲げており、図らずも新型コロナがその後押しとなった。

 同校は「新しい時代の学びにはICTが絶対に必要」(俵谷校長)と、町の全面的な支援で今年度、校内にWi-Fi(ワイファイ)などを整備。既存のネットワークで課題だった容量やセキュリティーの制約を受けることなく、学校活動に活用できるようになった。

 環境整備が2月に完了した矢先に臨時休校に。急きょ、学習課題の管理などができるシステム「グーグル・クラスルーム」の導入を決めた。グーグル社と「ZOOM」(ウェブ会議システム)でつないだウェブ会議を校内で開き、教職員が使い方の疑問点などを解消、11日から運用を開始した。

 教科ごとに課題を配信・指示し、生徒はスマートフォンなどそれぞれの端末でこれを受け取る仕組み。家庭のネット・印刷環境などに配慮して紙での課題配布も準備したが、ほぼ全ての生徒がシステムを活用した。

 生徒にはおおむね好評。24日、修了式に合わせて分散登校した吉田大将さん(2年)は「とても便利。休校中も勉強時間を減らさないように意識していたので、もっと課題があってもよかった」と意欲的に取り組んだ様子。山口彩さん(1年)は「残りの授業を受けられないまま進級するのは不安だったので、ありがたかった」と話した。

 利用のための設定手順はメールで指示したのみだが、多くの生徒がそつなくこなした。情報担当の金谷梅太郎教諭は「思った以上に生徒の情報リテラシー(活用力)が高いことが分かった」とし、「今後も具体的な使い方を指示するのではなく、生徒も先生も自由に活用してもらいたい」と期待する。

 取り組みに中心的に携わる熊谷綾真教諭は「良いスタートアップになった。生徒それぞれがどうすればより有効活用できるかを考えたり、ネット環境を見直したりするきっかけになれば」と話す。

 学習支援以外にもICT活用は広がる。生徒会では休校により、4月以降に控える行事の打ち合わせができなくなったため、代わりにZOOMを導入。担当の駒井亜希子教諭は「先にLINEで議題を共有しておくことで、ウェブ会議は短時間で済んだ。可能性を感じる」と振り返る。

 俵谷校長は学校でのICT活用について「リスクには配慮しながらも、とにかく挑戦することが大事。子どもたちは必ずついてくる」と語る。同校では新年度、進学・就職などのネット予備校「スタディサプリ」と契約、生徒が格安で利用できるようにすることも決めた。(丹羽恭太)

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