書の甲子園 十勝から2人が入賞
「書の甲子園」として知られる第28回国際高校生選抜書展(毎日新聞社、毎日書道会主催)で第5席の秀作賞に選ばれた田中ひかるさん(17)=帯広南商業高3年=と宮村梨瑚さん(17)=帯広柏葉高2年=をはじめ、十勝勢が健闘した。
国内外から1万3906点の応募があった。
田中さんは平安時代の小野道風の書とされる「小島切」を臨書した。昨年は仮名の古典「針切」に取り組み、さらに力を付けたいと「小島切」を選択。最初は線の太さやかすれが思うようにいかず四苦八苦したが、計5枚から成る作品をしたためた。
使用している紙「浮舟」は一枚ごとに色合いが異なり、「そこも見て楽しんでほしい」と田中さん。「部活は書いてるときはもちろん、みんなでパフォーマンスをするなど初めての経験がいっぱいあった。新しいものに触れ、楽しい3年間だった」と笑顔を見せた。
宮村さんは宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を創作で書いた。紙に墨汁を塗り、版画のように白い紙に写し取った後、銀色で文字を書いたユニークな作品。文字は箸で書いており、「最初は一枚書くのも大変。詩も覚えた」と笑う。
文字は太い線や細い線でめりはりを付け、独創的な作品に仕上げた。入賞を「とてもうれしい。八重柏冬雷さん(芽室)のような前衛的で、心を引きつける作品を書きたい」と意欲を見せる。(松田亜弓)
その他の上位入賞者は次の通り。(関係分、敬称略)
▽入選=斎藤未乃梨(鹿追)大橋優理菜(帯広緑陽)牧野愛、中田千尋、武者実紀(以上帯広南商業)小森颯蘭(幕別清陵)阿蘓都美、杉亮兵、宮川愛優美(以上江陵)二瓶未央菜(池田)桑名彩華(芽室)入澤璃空(音更)川崎優音(帯広北)松本実樹、白木華奈、大塚理央奈、秋保文哉、小林若菜、八木谷真緒(以上帯広三条)池原亜飛、福西博人、関根杏介、藤本のどか、高橋杏菜、橋本友葉、藤原里紗(帯広柏葉)