高畑淳子さん「出演忘れるほど面白い」 帯広でなつぞら公開セミナー
NHK公開セミナーが2日、帯広市民文化ホール・小ホールで開かれ、連続テレビ小説「なつぞら」に出演する高畑淳子さんが登場した。撮影現場の舞台裏や役作りなどを紹介した高畑さんは「出演していることを忘れるほど、なつぞらは面白い」と語った。
NHK帯広放送局などの主催で、約500人が集まった。高畑さんは、帯広の菓子店「雪月」店主の母小畑とよ役で出演。ヒロインの養祖父役・草刈正雄さんとの軽妙なやりとりなどが話題となっている。
高畑さんの出演場面は主に都内スタジオで撮影し、十勝ロケには参加していない。若いころ以来という十勝の印象を、「絵に描いたような、うそみたいな空」と表現した。
現場の雰囲気は楽しく、居心地が良いと説明。岡田将生さんや吉沢亮さんらを指し、「世の中にはこんなに美しい生き物がいるのか」とユーモラスに語った。ヒロインの広瀬すずさんについては、「脚本のコミカルな部分を、私みたいにオーバーではなく、程よく面白くしている。尊敬している」と話した。
役者に大事な要素は運と鈍感力、根性とし、「この役に必要なものを持っているから指名されたと信じるようにしている」と強調。今回の役は「ほっこりでき、真っさらになっていいんだとの雰囲気を醸し出している人」と捉えている。
セミナーには、北海道ことば指導を担当する助川嘉隆さん、制作統括の磯智明さんも登壇した。役者として活動する助川さんは釧路市阿寒町出身で、母親は浦幌町出身。
「北海道の言葉は地域によって異なり、幅が広い。その分、ニュアンスも変えられる」とし、今後登場する十勝-東京間の電話のシーンに力を入れているとした。
劇中でヒロインは、十勝で培った開拓精神を胸に、東京でアニメーターとしての道を歩み出した。磯さんは今後の展開について、「アニメーション発展の歴史と、十勝の酪農やお菓子の歴史をうまく重ね合わせ、クライマックスに持っていきたい。十勝の描かれ方も楽しみにしてほしい」と話した。(池谷智仁)