お菓子で昭和の店舗を再現 柳月駅前店をジオラマで
【音更】柳月(本部音更町、田村昇社長)の菓子職人今西勝彦さん(74)らが菓子で製作した同社の旧帯広駅前店のジオラマが、往時を懐かしむ来店客から好評だ。音更町内のスイートピア・ガーデン1階に展示されている。
柳月駅前店(帯広市西2南11)は1977年に営業を開始。喫茶スペースは放課後の学生や家族連れでにぎわった。改築を経て2000年に33年の歴史に幕を閉じた。
ジオラマはNHK連続テレビ小説「なつぞら」で昭和の十勝の風景が注目されていることなどから昨年12月から製作。原料には砂糖、チョコ、マジパンなどを使用した。今西さんは「残念ながら食べておいしいものではない」と笑う。
同店に勤務していた今西さんの記憶と残存する当時のわずかな資料を頼りに、1階の販売、喫茶コーナーのほか2階の厨房(ちゅうぼう)の一部を再現した。模型作りから人形の一体に至るまで、店内の細部を高さ60センチ、縦90センチ、横160センチの大きさで表現した。来店客がSNSで紹介するなど話題になっている。
終業後も作業に没頭することもあったという今西さんは「当時を知る人から懐かしいとの声をもらえてうれしい」と話している。ジオラマはなつぞら放映終了の9月まで展示する予定。(本田龍之介)