更別の書道家安江さん「飛龍」 パリのアートラベル展で受賞
【更別】フランスで16日に開かれた日本の芸術作品を使用したワインのアートラベル展「日仏アートハーモニーHIBIKI展」で、村内在住の書道家安江翠泉(本名カツ子)さんの作品「飛龍」が高い評価を受けた。被表彰者で唯一となる「日仏シャンパン・アートラベル俊傑作家賞」を受賞。作品は会場となったパリのベルシー美術館に収蔵され、安江さんは「夢のような栄誉をいただき光栄」と喜んでいる。(高津祐也)
この展示会は日仏友好160年を記念し、パリで開催中の日本の文化・芸術を紹介する祭典「ジャポニスム2018」の一環で開催。日本全国から油彩や水彩、日本画、写真など約30ジャンルから271作品が集まり、今回、特別に醸造されたシャンパン「平成ロマン」のラベルとなって展示された。
安江さんの作品の「飛龍」は「龍」を崩して書き上げた現代書で、特殊なグリーンメタリックの墨を使用している。12年の辰(たつ)年に制作して以来、評論家の目に留まり、これまでモナコの芸術祭やスペインの展覧会「アートメゾンビエンナーレ」にも出品され高い評価を受けている。
今回は国際美術評論家連盟会員の長谷川栄さんとベルシー美術館のジャンポールファヴァン館長の推挙を受けて出品が決まった。賞は現地で発表され、安江さんは夫と現地に赴いて賞状と金色のメダルを受け取った。受賞は独創的な筆使いや書の躍動感が評価され過去の海外での実績も加味されたという。
安江さんは会場で書道のパフォーマンスも披露し、「一生懸命に表現を見せようと思った。周りを見渡す暇はなかったけど、気が付いたらたくさんの人に囲まれていた」と振り返る。
これまで「面白そう」との思いで既成の枠にとらわれない作品を数多く生み出してきた。その技術には古典の臨書が基礎になっているといい、「今後も精進していきたい」と話した。