書店で楽しむ生演奏 ドトールで公演100回超 岡書
コーヒーを味わいながら本を読み、ライブを聴くぜいたくな時間-。帯広市内の書店「岡書帯広イーストモール店」(東4南16)内のドトールが、十勝の音楽拠点の一つとして定着しつつある。昨年夏のオープン以降、地元演奏家らによるクラシックやジャズなど計100回以上のライブを行い、買い物途中の親子らも耳を傾けるなど、住民が気軽に音楽に触れる場にもなっている。
十勝で活動する音楽家に発表の場を提供したいと、同店内には生の音楽と喫茶(ドトールコーヒー)の両方を楽しめる「ライブカフェ」が併設されている。3日は十勝を拠点に活動するバイオリニスト和光憂人さんと、ピアニスト三谷温さん(昭和音楽大学教授)のコンサートが開かれ、詰め掛けた約200人がモーツァルトのソナタなどにゆったりと聴き入った。
2016年7月のオープン当初から月10~15回のペースでライブが行われ、累計では既に100回を超える。管内のピアノの指導者や生徒によるミニコンサート、ピアノをメーンとしたクラシックやジャズなどを中心に使われ、毎回多くの市民らがくつろぎながら耳を傾ける。
3日のコンサートも親子連れが多く、中には乳児を抱く母親の姿も。同店の大久保知行イベントプロデュース担当リーダーは「子どもたちを含め、無料で多くの人がクラシックの世界を味わえる良い機会」。市内に住む水木扇鈴さん(39)の子ども2人は昨年、同所で開かれた和光さんのコンサートを聴いて、4月からバイオリン教室に通い始めたという。
十勝の音楽文化の発展を願う和光さんは「身近な場所で聴けるのは、普及活動としても良いこと」と話す。世界各国で演奏会を行う三谷さんは「欧州ではホールのほかに教会などでも演奏会が行われている」とし、「気軽に立ち寄って聴ける環境は素晴らしい」と強調する。
会場費は無料で、大久保リーダーは「十勝で頑張る音楽家はもちろん、小・中学校の吹奏楽など部活動でも遠慮なく使ってほしい」と話している。申し込みは同店ホームページの出演者募集や電話(0155・28・3728)で受け付けている。(折原徹也)