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「スイーツ甲子園」で帯広南商業高が初の全国大会へ

初優勝し、全国へ駒を進めた井手さん、関井さん、小野さん(左から、貝印スイーツ甲子園提供)

 高校生がスイーツ作りの腕前を競う「第9回貝印スイーツ甲子園」(貝印主催)の北海道東北ブロック予選が25日仙台市で行われ、帯広南商業高校クッキング部(藤田葉南部長、部員29人)の3年生チームが優勝し、ブロック代表に選ばれた。十勝勢の優勝は初めて。全国大会(9月18日、東京)に向け、チームは「十勝の魅力が伝わるケーキを作りたい」と意気込んでいる。

 大会は3人一組で、同校からは関井純菜さん(18)、井手永遠子さん(17)、小野桃果さん(17)が参加。応募総数439点から書類審査を通過した全国6ブロック各5チームが、制限時間3時間でデコレーションケーキと創作スイーツの2品を作り、見た目や味などの総合点数を競った。

十勝・帯広の食材を活用して作った「小さな幸せ」

 3人のチーム名はアイヌ語で「クロユリ」を意味する「an-rakor(アンラコロ)」。大会のテーマである「わたしのまちの“新”名物」に沿ってスイーツを考案し、十勝・帯広の食材をふんだんに使用し、「小さな幸せ」と名付けた。

 シラカバをイメージしたケーキはホワイトチョコ、カボチャ、ラズベリーなどのムースやゼリーを重ね、色鮮やかに仕上げた。デコレーションのあめ細工は帯広市の花で、同校制服ボタンにも描かれている「クロユリ」を表現。見つけると幸せになれるという「コロポックル」をイメージした人形はマジパンで作った。

 審査員からは「ムースに酸味のあるラズベリーが入ることでバランスが取れている」と高い評価を受けた。

 本番ではラズベリーゼリーが固まらず、やり直すハプニングもあったが、時間内に完成。優勝が発表されたときは「信じられない思いだった」と涙ながらに喜び合った。

 全国大会に向け、味や見た目の改良に取り組む。関井さんは「大会後にパティシエの方々からアドバイスを受けた。成長ぶりを見せたい」、井手さんは「結果を残して学校を盛り上げられれば」、小野さんは「全国で通用するようなレベルに実力を伸ばしていきたい」と全国大会を見据えている。
(松田亜弓)

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