カバのダイ、元気になって おびひろ動物園来園者から励まし
おびひろ動物園(柚原和敏園長)で飼育されているカバの「ダイ」(雄、47歳)が体調を崩し、同園は4月29日の今季開園時から展示を見合わせている。今も展示再開のめどは立っていない。人気者の不在に、来園者からは「寂しい」「心配」などの声や見舞いの手紙が寄せられている。
同園によると、ダイが体調を崩したのは4月中旬。元気がなく、ぐったりした様子を見せるようになった。当初は餌に薬を混ぜて投薬治療を行ったが、ここ数日は食欲もあまりない状態という。
カバはどう猛な性格のため、触れるのが難しく、麻酔をかけた状態でなければ診察できない。同園によると、一般にカバの寿命は45歳前後。ダイは人に例えると80~85歳の高齢に加え、弱っている状態での麻酔は命を失う危険性もあり、診察は難しく、病名や原因は分かっていない。
もともと穏やかな性格だったダイだが、4月初め頃から人間に対し警戒心を見せるようなり、現在も飼育員が近づくと威嚇体勢になるという。同園は現在、獣舎内の温度を保ち、昼間は窓を開けるなどし、ストレスが掛からないよう環境を整えている。
ダイを目当てに訪れる来園者も多く、残念がる声は多い。先週末には子どもから、折り紙と一緒に「はやくげんきになってね」と体調回復を願うメッセージが届いた。担当飼育展示係の曽根誠さんは「体調が回復してお見せできるよう、最善の手を尽くしたい」と話している。
ダイは1969年1月生まれで、国内のカバとしては2番目の高齢。72年に韓国の動物園から来日した。2005年に死んだモグ(雌)との間に6頭の子どもがいるが、うち5頭は死に、1頭は韓国に渡り、所在は分かっていない。同園では現在、ダイのみが飼育されている。(松田亜弓)
◆おびひろ動物園について
・おびひろ動物園公式HP(帯広市)
・おびひろ動物園探検隊-十勝毎日新聞電子版特設ページ