暖冬で寒さイベント、リンク、スキーなどに遅れ…関係者やきもき
十勝管内では、今月中旬以降、雪が少なく、平年より気温が高い日が続いていることで、これからが本番の冬のイベントに向けた準備や、スケートリンクの造成が進まないなど、影響が出ている。一部スキー場のオープンや、冬の行楽ワカサギ釣りの解禁のめどが立っておらず、関係者はやきもきしている。
然別湖上などで氷雪のロッジや露天風呂などが楽しめる「しかりべつ湖コタン」は、来月28日に“開村”を控えるが、雪氷の施設製作作業が行えない状況が続く。実行委の石川昇司さん(然別湖ネイチャーセンター)は「昨年はちょうど12月中旬にまとまった雪が降ったので今時期は作業が本格化していたが、今年は湖も凍っておらず、詰める雪がない。気温も高めなので、結氷もしていない」と嘆く。「雪と寒さを待つしかないが、この状況が続くようなら、奥から雪を運ぶことも検討しなければならないかも」と心配していた。
帯広市教委によると、学校スケートリンクの造成も、全般的に遅れているという。帯広東小(嘉藤篤校長、児童207人)でも、例年より早く作業を開始したが、リンクの所々に穴が開き、まいた水が凍らず、歩くとミシミシと氷が割れる状況。管内でも、早くリンク開きをした上更別小(伊澤昭宙校長、児童33人)も一時、氷が溶け使用中止にした。「保護者が水まきに精を出してくれたおかげで、21日からはようやく使える状態になった」と同校。
ワカサギ釣りの人気スポットの一つ、糠平湖(上士幌)でも、結氷が一部にとどまり、解禁日の見通しが立っていない。NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンター(同)では「とにかく冷え込まない。昨年はちょうど今時期に結氷していた。年明け早々、ワカサギ釣りツアーも予定しているが、開催は難しいかもしれない」としていた。
サホロリゾートスキー場(新得)では、雪不足で上級コースが使用出来ない状況。斎藤和則・運営リーダーは「例年は10日前後に全コースオープンできていた」と頭を抱える。メムロスキー場(芽室)や、幕別町内の白銀台・明野ケ丘の2スキー場もオープン日のめどが立っていないという。(佐藤いづみ、関根弘貴、高津祐也、菅生佳孝)