緩和ケア病棟設置へ 帯広第一病院
公益財団法人・北海道医療団(小林光樹理事長)が運営する帯広第一病院(帯広市西4南15、山並秀章院長)は、終末期の看取りなどを担う「緩和ケア病棟」を院内に新設する。2017年中のオープンを目指す。緩和ケアに関する専門病棟の開設は十勝管内で初めて。
計画によると、緩和ケア専門の病床を25床設ける。現在使われていない4階の医療病床50床分を改修してスペースを確保する。プライバシーに配慮し、全室個室とする。12月にも今井貴史・総合診療科医長をトップに「緩和ケアチーム」を立ち上げ、具体案を検討する。
同院は、在宅での終末期ケアや緩和ケアに関して、12年に開設した「在宅ケアセンター」で取り組んできた。専任の常勤医師と訪問看護師を配置して訪問診療・訪問看護体制を整え、関連の医療機関や介護施設などと連携している。
病棟の改修に数千万円を見込んでいるほか、道厚生局への届け出を前に、日本医療機能評価機構の医療機能評価を受けるなど、施設基準を満たすための準備を進めている。来年度には着工したい考え。
酒井俊副院長(在宅ケアセンター長)は「病院での緩和ケアの需要は高い。当院ですでに進めている在宅の緩和ケアと両輪で進めることで、痛みのコントロールで苦しまない終末期の流れをつくりたい」と話している。
日本ホスピス緩和ケア協会(神奈川)によると、道内で緩和ケア病棟を持つ病院は札幌や函館、北見などに17施設(6月現在)。帯広厚生病院でも18年開設予定の改築計画で緩和ケア病棟の開設を打ち出している。(佐藤いづみ)