川合壽岳さん、詩吟最高の称号「十傑」に
詩吟のとかち岳峯会(山下岳廣会長)に所属する川合壽岳(じゅがく、本名・一壽)さん(65)=帯広市在住=が、20日に東京で開かれた第22回全国優秀吟者吟道大会で最高賞の「吟詠十傑」に漢詩の部から選ばれた。吟道を志す人にとっては日本最高の称号で、川合さんは「一つの目標を達成できた喜びとともに、父や先輩、仲間に感謝したい」と話している。
川合さんは父の岳輳(がくそう)さんが帯広で道場を主宰しており、40歳のときに「仕事以外の世界でも人との交流を持ちたい」と父に入門し、詩吟を始めた。“門前の小僧”で入門前から身近に詩吟があったこともあり、めきめきと上達。昨年、初の日本一に輝いた合吟(10人一組による吟詠)でも中心メンバーとなるなど、岳風会北海道帯広支部(現とかち岳峯会)をけん引してきた。
全国優秀吟者吟道大会では一昨年、昨年と2年連続で「秀逸」にとどまり、「十傑」(漢詩、和歌の両部から各5人)には届いていなかった。それだけに「今年こそという並々ならぬ思いで努力した」(川合さん)と今大会へ懸ける気持ちは強かった。地区予選となる北海道大会は全国でも有数の激戦区で、会員6000人の中から100人が挑み、川合さんを含む10人が本戦に進んだ。
本戦では全国9ブロックの大会を勝ち抜いた88人が出場した。予選と決戦があり、予選で川合さんは「緊張で力を発揮できず、落ちたと思った」が、地力の高さもあり、決選出場の10人に選ばれた。決選では「(予選の失敗で)一度死んだ身。怖い物はなしで思いきり吟詠できた」といい、十傑のうち、漢詩の部からの5人に選ばれた。
現在は日本詩吟学院の講師として帯広、北見で指導もしており、「教える上でも大きな自信になった」と話す。今後は札幌や仙台でも講座が予定され、「十傑の名に恥じないよう、さらに磨きをかけて後進の指導に当たりたい」と話している。(大谷健人)