寄付件数が過去最多に 帯広市のふるさと納税
帯広市のふるさと納税「おびひろ応援寄付金」の2014年度の実績がまとまった。制度が始まった07年度以降で件数は最多の166件だった。金額は計2933万6000円。市は「地道にPRして協力していただいた結果」としている。
ふるさと納税制度は、出身地や応援したい都道府県、市町村などに寄付すると、居住地の個人住民税などが軽減される。同市は国際親善交流基金や高等教育整備基金、福祉基金など14の基金の他、図書購入費など特定の事業に対して受け付けている。
14年度は件数が前年度比18件増え、金額は同1812万3699円減少した。内訳では、ばんえい競馬振興基金宛てが、111件646万円。件数、金額ともに前年度は下回ったが、全件数の6割以上を占めた。
金額で多いのは商工観光振興基金で5件、1251万3000円。産業発展に貢献する人材育成を応援する1000万円の大口の寄付があり、全体の金額を押し上げた。件数では、子供や青少年の健全育成を目的としてこども未来基金が19件、76万円と多かった。
自治体間で特産物の提供内容を競い合う傾向がある中、同市は特産物を売りにしておらず、「古里を離れた人が出身地の応援で納税するのが趣旨」として、今後も予定していない。
礼状や確定申告の案内、使途説明を通して感謝の気持ちを伝えている。過去に寄付した人のリピーター率は、ばんえい競馬振興基金の72%を筆頭に、全体でも59・6%と高い。
過去最高の件数に、市企画課は「金額は大口寄付の有無で変化することがあるが、件数増は帯広を応援してくれる人が増えていることを示している。つながりを維持している取り組みがリピータ率に出ていると思う」と感謝している。
(安田義教)