ライブ企画通じて社会貢献を 長岡さん
帯広市内の長岡円(まどか)さん(17)=高校2年=が、地元十勝や道内のロックバンドを招いた音楽ライブを帯広で企画し、社会貢献につなげる取り組みを始めた。昨年秋の第1回に続き、今年は27日を皮切りに、4、5月と3カ月連続で企画ライブを予定。ライブ会場に募金箱を置き、難病の子供たちを支援する団体への寄付などを計画している。
長岡さんがライブに関わったのは、自身がライブハウスに通う中で「周りの高校生で、(年代が上の)大人のバンドや、知らないバンドを見に行こうという人がほとんどいなかった」のがきっかけ。そこで「同年代の自分の企画なら、ライブハウスに足を向けるきっかけになるかも」と昨年9月、初の企画ライブ「インフィニット・ポッシビリティ)」を市内で開いた。
ライブハウスやバンド関係者以外、さらには高校生の手による企画はほとんど例がない中、自ら苫小牧などのバンドに出演を依頼した。ライブは高校生ら80人以上が集まる盛り上がりを見せ、成功したが、「これで終わっては、次につながっていかないのでは」と疑問が湧いたという。
「ライブを通じて自分にできることはないか」と今年は27日と4月18日、5月17日の3回を企画。難病の子供たちの「(東京)ディズニーランドへ行きたい」という願いを実現させる取り組みを進める東京の公益財団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」の理念に共感し、各ライブ会場に募金箱を置き、集まった善意を同法人に寄付することを決めた。
また、市内の100以上のNPO法人の活動などを調べて連絡。若者の就労支援などに取り組む1法人の協力で、4、5月のライブではそうした若者らに、実際に運営に関わり、社会参加のきっかけにしてもらうことになった。
長岡さんは「自分も含めて高校生や若い人が出せる募金額は少ない。お金よりも、来場者に難病の子供たちや支援する人の存在を知ってもらい、逆にそうした人のことを思っている自分たちがいることも知ってもらえたら」と話す。これまで通っていた高校を今月末で退学し、4月から通信制の高校に通う予定。
ライブ会場はいずれも市内のライブハウス「Rest」(大通南8)。27日はいずれも実際に長岡さんがライブを体感した6バンドが出演。札幌から十勝出身の大学生・専門学生の4人でつくる「thunderstruck」の4バンドと、帯広からも2バンドがステージに上がる。午後5時半開演。入場料1000円(当日1500円)。高校生以下は500円(当日700円)。(大谷健人)