糠平湖の湖面に気泡模様 橋梁も姿現す
【上士幌】厳冬期を迎えた糠平湖では、湖底に沈んでいた旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁(きょうりょう)の「タウシュベツ川橋梁」(町ぬかびら源泉郷)が早くも顔を出し始めた。湖面には可燃性ガスが氷の中に閉じ込められてできた模様も形成され、自然の織りなす不思議な光景が広がっている。
タウシュベツ川橋梁は昨年12月上旬からの水位低下で見え始めた。もともと少雪や少雨の影響で湖水面が低かった影響で、すでに全体の3割ほどが見えている。NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンターの上村潤也さんは「水位の低下は昨年より2週間早い」とした上で、「(橋梁の)傷みが広がっていて表面のコンクリートの穴も大きくなっているように見える」と話す。
結氷した湖面に見られる気泡は、円盤状で垂直方向に何枚も重なるように形成されている。積雪が少ない時期に観察しやすく、ワカサギ釣りが行われている五の沢付近に多いという。ひがし大雪自然館学芸員の乙幡康之さんは「おそらくメタンなどのガスが湖底から湧き上がってできたのだろう。温泉地という地域性も関係しているのでは」と分析する。
天候の急変に加え、気泡の近辺は氷が薄い場所もあるため注意が必要。同橋梁などの観察は同センターでもツアーガイドを行っている。問い合わせは同センター(01564・4・2261)へ。(塩原真)
◆タウシュベツ川橋梁(電子版Presents北海道の世界)
・写真、空撮動画などで紹介-十勝毎日新聞電子版