ボクシングのプロテスト合格、帯広出身の朴澤さん
年齢制限ぎりぎり、二刀流「自分試す」
帯広市出身の朴澤(ほうざわ)大樹さん(33)=都内在住=が、ボクシングのプロテストに合格した。歯科医として東京大大学院の博士課程などで学びながら激しい練習をこなし、年齢制限ぎりぎりの挑戦でつかんだ快挙。来年のデビュー戦が期待される中、「最後のチャンスをものにできてホッとした。プロとしてどこまでやれるか試してみたい」と話している。
朴澤さんは1981年生まれ。実家は医療法人仁愛会朴澤歯科(帯広市東4南8、朴澤忠昭院長)で、帯広第六中、帯広柏葉高、松本歯科大(長野県)を卒業、2009年に歯科医師免許を取得した。
同年4月から帝京大医学部付属病院で研修医、修練医を務め、11年4月から東大大学院外科学専攻博士課程へ。産学官の枠を超え、グローバルに活躍するリーダーを育てる東大ライフイノベーション・リーディング大学院(GPLLI)でも学んでいる。
児童会長も務めた小学校では水泳、中学時代はバスケットボールに打ち込み、高校ではロックバンドのベーシストとして活動した。「体を鍛えるのが好き」と、大学で日本拳法部に入り、主将として全国大会で団体戦準優勝も経験した。
大学卒業後はキックボクシングに転向、全日本選手権で3位に入賞した他、国内アマチュアランキングのフェザー級3位を獲得。インストラクター資格も持つ。
ボクシングとの本格的な出合いは2年前。日本拳法でもパンチを得意としており、練習を見学しようと訪れた都内ジムでミット打ちの相手を務めたトレーナーから「プロになれる」と太鼓判を押された。
プロテストの受験資格は申し込み時に満32歳以下で、6月の誕生日直前に申請。7月のテストで東京・後楽園ホールのリングに上がり、スパーリング相手を攻め続けて見事合格した。
自身の階級は日本人選手の激戦区であるフェザー級(約55・3キロ~約57・1キロ)で、週3、4回のジムワークと筋トレ、ランニングを続けている。来年は博士論文の提出も控えるが、「パンチの種類にはどれも自信がある。1戦ずつを大切にしたい」と話す。
いずれ十勝に戻り、歯科医として地域医療に貢献する予定だが、「格闘技を通しても故郷を活性化させたい。ジムのような場所をつくり、自分も鍛えることができれば」と、夢を描いている。(岩城由彦)