フェアスカイFC国体出場へ 十勝初の快挙達成 サッカー道リーグ
社会人サッカーの第37回北海道リーグで十勝フェアスカイFCは21、22の両日、帯広の森球技場で行われたホームゲームを2連勝した。フェアスカイは第6節を岩見沢FC北蹴会に後半の逆転で3-2で勝利。前期最終戦となった前年覇者のクラブフィールズノルブリッツ北海道には5-2と快勝した。フェアスカイは前期7戦を無傷の全勝で折り返すとともに、前期首位チームに与えられる国体成年の部北海道代表の座を獲得した。成年の部の道代表を十勝のチームが務めるのは初めての快挙。(大野篤志)
十勝のサッカー史に金字塔 フェアスカイFC
「みんな高校や大学で全国大会や国体を経験しているだろうが、十勝のチームが国体に出場することはものすごい出来事。ありがとう」。試合後のミーティングで菖蒲友幸代表は選手をたたえながら喜びをかみしめた。十勝フェアスカイFCが十勝のサッカー史に新たな歴史を刻んだ。
全勝で迎えた前期最終戦の相手、クラブフィールズノルブリッツ北海道はすでに2敗を喫して3位に低迷しているとはいえ、北電時代も含めて優勝17回を誇る道内最強チーム。「個の力が強く、厳しかった」と田中基樹主将(31)は振り返るが、清原和也(29)のヘディングシュートで先制し、康平(28)、基樹の田中兄弟がそれぞれフリーキックを直接ゴールに決め、残り2点は荒木一真(20)が流れの中で決めるという、持ち前の攻撃力でノルブリッツを圧倒した。
守りも浅井達郎(28)、寺嶋健太(27)の室蘭大谷高時代のチームメートを中心にノルブリッツの攻撃をよくしのぎ、今季移籍組の板垣和之(26)、山本康平(26)がうまく前線の松島仁(33)、高橋敬(28)へとつないだ。好調の要因を田中基主将は「前線も含め全体的に守備の意識が高い」と見る。
フェアスカイが初めて道リーグに参戦したのは2006年。2季で降格し、11年に再昇格。6季目で初めての前期首位と同時につかんだ十勝勢初の国体出場権。菖蒲代表をチームの立ち上げから支えてきた原口康紀助監督は「十勝代表という気持ちで戦ってきた。管外でプレーしていた選手も戻ってきてくれる。地域の勝利」と喜ぶ。チームの名付け親の十勝地区サッカー協会の金澤耿会長も「長年の夢だった。サッカー王国十勝のプライドを背負って頑張ってほしい」とエールを送る。
後期は8月3日から始まり、9月21日まで続く。国体は長崎県で10月開催。吉田雄造監督は「まずはリーグ戦をこのまま負けなしで終えたい。国体も出るからには一つでも多く勝ちたい」と気合を込めた。
輝き取り戻したストライカー 荒木一真
○…「中途半端なプレーが続いている」と今季悩みを抱えているFW荒木一真が、ノルブリッツ戦後半から途中出場ながら2ゴールと大暴れした。
スピードを生かして本能のままにゴリゴリ押し込むプレーが持ち味だが、今季は周囲のアドバイスなどに考え込むことが多くなり、シュートチャンスを逃したり、守備面がおろそかになったりと自分自身にふがいなさを感じている。
それでも1点目は胸トラップからのボレーシュート、2点目はスルーパスから抜けだし、相手GKとの1対1を左にかわして決めるなど持ち味を発揮した。「後期は自分らしいプレーを見せたい」と巻き返すつもりだ。
堅守の要が2戦連続ゴール 清原和也
○…DF清原和也が2戦続けてのゴールでチームの勝利に貢献した。
岩見沢戦は1点を追う後半の反撃の口火となる同点弾。ノルブリッツ戦はチームを勢いづかせる先制点。いずれも「最近の練習で合わせられるようになってきた」と手応えをつかんでいたコーナーキックからヘディングゴールだった。
「人のいないところ、誰も突っ込まないところを見逃さないことが結果につながっているのでは」と自己分析。「職場(北海道オリオン)の理解があって試合に出られている」と感謝しながら、後期も豊富な運動量とアグレッシブなプレーで快進撃を目指す。
◇第7節(22日)
十勝フェアスカイFC(勝点21) 5(2-1 3-1)2 クラブフィールズノルブリッツ北海道(勝点12)
【十】
(1)田中基→清原(前半19分)
(2)田中康(同26分)
(3)田中基(後半20分)
(4)田中康→田中基→荒木(同22分)
(5)高橋→田中基→荒木(同27分)
【ク】
(1)崔→吉澤(前半34分)
(2)畠山→名雪(後半31分)
▽警告
【ク】相木
▽審判=高口、鈴木、伊藤、服部
札幌蹴球団(勝点18) 6(4-0 2-0)0 新日鐵住金室蘭(勝点9)
札大GP(勝点9) 4(1-1 3-1)2 駒澤OB・FC(勝点3)
R・シュペルブ釧路(勝点3) 2(0-0 2-1)1 岩見沢FC北蹴会(勝点9)
◇第6節(21日)
十勝フェアスカイFC(勝点18) 3(0-1 3-1)2 岩見沢FC北蹴会(勝点9)
【十】
(1)高橋→清原(後半11分)
(2)板垣→松島(同12分)
(3)田中康→五十川(同42分)
【岩】
(1)櫻井(前半14分)
(2)南→谷内(後半36分)
▽退場
【岩】米内
▽警告
【十】清原
▽審判=伊藤、大橋、喜多、服部
クラブフィールズノルブリッツ北海道(勝点12) 3(3-0 0-2)2 R・シュペルブ釧路(勝点0)
札幌蹴球団(勝点15) 7(2-0 5-0)0 駒澤OB・FC(勝点3)
札大GP(勝点6) 4(2-1 2-0)1 新日鐵住金室蘭(勝点9)
◆十勝フェアスカイFCについて
・十勝フェアスカイFC-公式ホームページ
・フェアスカイ悲願の頂点狙う 道サッカーリーグ11日開幕-十勝毎日新聞電子版(2014/05/09)
・フェアスカイは白星発進 道サッカーリーグ開幕-十勝毎日新聞電子版(2014/05/12)
◆十勝フェアスカイFC関連記事
・十勝フェアスカイFC-十勝毎日新聞電子版
- カテゴリ写真サッカー
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