新興展で雫の会の小松さん最高賞 会友に推挙
日本画教室「雫(しずく)の会」を主宰する小松志津江さん(60)=清水町在住=が、日本画の公募展「第64回日本画新興展」(新興美術院主催)で、一般部門の最高賞「新興美術院賞第二席」に選ばれ、会友に推挙された。雫の会の生徒で塩塚きみ子さん(61)=帯広市在住=も一般部門の三席S氏賞に選ばれ、会友に推挙。初出品の快挙に2人はさらなる制作意欲を高めている。
振興美術院は日本画の公募展「院展」の所属メンバーが中心となり発足。同展は1938年から始まり、今回は会員と一般合わせて133点の応募があった。
小松さんは東京でデザインを学びディスプレーデザイナーとして活躍してきた。「いつか絵を描いて作品を残したい」と、約10年前に日本画を本格的に始めた。平原社会員。
小松さんのF130号の作品「澪標(みおつくし)」は、一昨年に訪れた青森県・竜飛岬の漁村を描いた。木製の船場に停留する船や使い込まれた漁具を趣深く表現。同じ題材で3パターン描いた集大成で、審査では対象の捉え方や丁寧な描き込みなどが評価され、満場一致で同賞に輝いた。小松さんは「初出品の入賞は無理だと思っていたのでうれしい。来年も応募して会員を目指したい」と力を込めた。
塩塚さんは約4年前から日本画を始め、小松さんに師事。平原社会友。出品の「秋雨参道」は、北鎌倉の寺を描いた。寺まで続くこけむす石段を傘を差して上る人と、娘がイメージの最上段にいる女性の物語性が印象的。「受賞は信じられない。今後もこつこつと制作に励みたい」と喜んだ。
このほか、雫の会からは、山岸温子さん、村瀬賢一さん、山本真弓さんが入選した。(山岡瑠美子)