きょうは母の日 夢は「プロ」息子見守る 元バスケ日本代表の山田さん
元女子バスケットボール日本代表として活躍した山田(旧姓奈良岡)幾子さん(43)がこの春から、長男崇太君(11)=帯広豊成小6年=、次男哲汰君(9)=同4年=が所属する帯広豊成ミニバスケットボール少年団のアシスタントコーチを務めている。兄弟はともに将来のプロバスケ選手を目指して練習に打ち込んでおり、幾子さんは「目標を高く持ち、夢を実現できるよう日々努力してほしい」と温かく見守る。きょう11日は「母の日」-。
幾子さんは大空少年団でバスケを始め、帯広大空中を経て高校女子バスケの“名門”札幌山の手高に進学。高校3年で全日本ジュニアに選ばれ、卒業後は第一勧業銀行、シャンソン化粧品で活躍。2001年に十勝管内出身女子選手として初めて日本代表に選ばれた。02年に現役を引退し、同年に結婚。翌03年に実家のある帯広へ戻り、06年から地元のクラブチーム「JAM」でプレーしている。
夫隆さん(40)の姉はアトランタ五輪日本代表の山田かがりさん(41)=現アイシン・エィ・ダブリュコーチ=というバスケの家系。崇太君も哲汰君も自らの意志でバスケを習い始めた。
父母によるアシスタントコーチは直接指導ではなく、練習前の準備やスコア付けなどが主な役割だが、練習中にはダッシュで汗を流す息子に「相変わらず遅いな。びっくりしたわ」と檄(げき)を飛ばす場面も。
今年1月から哲汰君もユニホームが与えられて試合デビューし、兄弟での試合出場もある。幾子さんは「長男はおっとりタイプ、次男はせっかちなプレーヤー」と分析し、「けんかばかりしているので試合中は(お互いに)パスをしないかなと思ったら、していたので意外」と笑う。
母のアドバイスには2人とも「聞く耳を持たない」(幾子さん)というが、JAMの練習についてきて体育館の隅で兄弟1対1の練習をしている。
チームメートの家のインターネットで幾子さんの現役時代の選手データを見たという崇太君は「カット(スチール)が多かったので、まねしたいと思った。自慢のお母さんです」とにっこり。「NBAの選手になりたい」と語る哲汰君は「ちょっと怖いけどちょっと優しい」とはにかむ。末っ子の長女詩(うた)ちゃん(4)もバスケに興味を示し始めた。
中学卒業後に親元を離れ、大きなケガもなく過ごすことができた現役時代を振り返り「親のありがたみが分かった」と幾子さん。母親となった今、自らも子供の夢を精いっぱいサポートするつもりだ。(澤村真理子)