スノボ、五輪効果で人気が再燃 施設や支援体制整備に期待
スノーボードの日本代表勢の活躍が目立ったソチ冬季五輪を受け、十勝管内のスノボ関係者は、これまで遊びのイメージが強かったスノボをスポーツとして盛り上げるきっかけにしたいと意気込む。スキー場などではスノボ人気復調の兆しも見えてきている。
「遊びであんな技はできないということを、多くの人が分かってくれたはず」
管内のスケートボード・スノーボード愛好家でつくる団体「graphicsFILM」の岡崎克哉代表(40)は、今五輪の男子ハーフパイプで銀メダルを獲得した平野歩夢選手と銅メダルの平岡卓選手の活躍に留飲を下げる。「(角野友基選手を合わせて)3人は世界的にも群を抜いているが、その他にも世界で戦える選手がたくさんいる」と日本人選手のレベルの高さを強調する。
1990年代後半から2000年代のブーム期に比べ人気は下火になった感のあるスノボだが、実は近年、道外では夏でも練習ができる施設が数多く建設されるなど、競技体制が整ってきている。地元の建設会社が施設を作って、地元企業が選手をサポートするという例が多くあるという。
一方、道内では施設もサポート体制もほとんどないのが現状。岡崎代表自身、長年、スノボをやりたい子供たちのために環境を整えようと、管内の企業などに支援を要請してきたが、「遊びなんだから自分でやれば」という冷ややかな反応がほとんどだという。
「graphics-」では、各種イベントで無料体験会を開いたり、昨年11月には独自に室内スケートボード場「トランジスター」(帯広市西1南16)を開設したりと、子供たちにスケートボードも含めた“横乗り系”スポーツの楽しさを伝えるための活動を展開している。
岡崎代表は「環境さえあれば、十勝にも世界で戦える可能性のある子供たちがたくさんいるはず」と力を込め、「五輪を機に、スノボをスポーツと認識する人が増えてくれて、地域全体でサポートする体制が実現すれば」と願う。
五輪効果もあってか、スノボに対する注目は徐々に高まっている様子。サホロリゾートスキー場(新得)では、「昨年より若者や家族連れが多い印象」(担当者)。今年は通常のスノボレッスンに加え、初心者を対象にしたレンタル付レッスン(大人5800円、小学生4800円から)も初めて実施した。「家族の利用が多く、1月のレッスン利用者は昨年同月の2倍」(同)という。
スノーボードショップ「トップボーダー」(音更町中鈴蘭南6)の石川智章社長によると、近年は3~12歳の子供向けの商品が充実しており、「シーズン終盤を迎え、2、3割引きになる商品も多く、問い合わせも増えている」という。(丹羽恭太、高津祐也)