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住宅街くまなく走る町民の足 コミバス  まちマイ音更編

住民の足を担うコミバス

 町木野西通17の共栄コミュニティセンターを拠点に、北方面の本町地区、南方面の木野・宝来地区を巡回運行するコミュニティーバス(=以下、コミバス)。1月下旬の平日午後、地域公共交通の一翼を担うこのバスに乗車してみた。車窓の景色を眺め、乗り合わせた乗客に話を聞き、住民の足を支え続ける存在感を改めて感じ取った。

 今回乗車したのは、柳町や本町、緑陽台など主な住宅街を回るルート。公共施設や医療機関、商業地など住民生活に欠かせないエリアも網羅する。コミバスは本町地区を回った後、木野・宝来地区を走って町内を1周するコースをたどるが、この日はその半周分のルートで乗車体験した。

 午後2時25分。大型スーパー裏手の「共栄コミセン前」停留所から乗り込んだ。バスは座席数18席、天井にはつり革も装備され、立ち乗りにも対応する(乗客定員33人)。自動開閉のドアを備え、乗降口は段差をなくしたノンステップ式で、高齢者などにも優しい。サイズこそ小さいが、一般的な路線バスに全く見劣りしない。

 この日は前日のまとまった降雪で、住宅街の道路両側には除雪後の雪が積み上げられていた。道幅はさらに狭まり、除雪が行き届いてない道路は決して良好な走行環境ではなかった。だが、ゆっくり走るバスの乗り心地は決して悪くない。連続する直角カーブも難なく曲がり、小型ならではの走行性能を発揮した。

 利用者もマイカーを持たない高齢者や主婦、子供など幅広い。乗り合わせた80代女性(新通8)は、運転免許を返納した4年前から月2回程度利用しているという。夏場は目的もなくバスに乗ることもあり、「よその家の花畑を眺めて回るのもとっても楽しいのよ」と話す。

 共栄台の鈴木美子さん(70)は町内の温水プールに通うため、週4回ペースで利用する。この日も水泳を終えて「温水プール前」からバスに乗り込み、「バス停は家から近いし、100円の乗車運賃もうれしい。コミバスがあるおかげでプールにも通える」と笑顔を見せた。

 記者は音更出身で音更在住。人生の半分以上をこの地で過ごしながら、コミバスに乗車したのは初めてだった。乗客の声からは、その手軽さと使い勝手の良さが伝わった。1月1日を除いて毎日運行のバス。町民の1人として、「休日のちょっとした買い物でも使える」と実感しながらバスを降りた。(杉原尚勝)

 〈音更町のコミュニティーバス〉 2000年4月から11カ月間の実証実験を経て、01年2月に運行開始。町が助成金を拠出し、十勝バスと拓殖バスが運行する。町内の停留所は116地点217カ所。12年度の利用者数は3万2267人。


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  • コミバスの車内。小型バスの割に天井が高く、座席もゆったりと座れる

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