ギタリスト小沼ようすけさん、氷まつりイメージの曲CDに
ジャズ・ギタリストの小沼ようすけさん(39)=神奈川県在住=が「おびひろ氷まつり」をイメージして作った曲「Ice Candle」が、ピアニスト宮本貴奈さんと組むデュオ(ダブル・レインボウ)の初CDアルバム「Voyage」に収められている。神秘的な曲調で、小沼さんは「曲を聴いて氷のイメージを楽しみながら祭りを見てほしい」と話している。
小沼さんは、2001年にアルバム「nu jazz」でデビューした。初めて氷まつりを訪れたのは2007年。小沼さんのファンだった英語学校ジョイ・イングリッシュ・アカデミー(帯広)学院長の浦島久さんの誘いで、「ふゆ音楽祭inとかち」(実行委など主催)に出演し、当時副実行委員長を務めていた浦島さんらと共に会場に足を運んだ。
寒さの中でライトアップされた作品に秋田県出身の小沼さんは衝撃を受けたという。特にバケツ型の氷の中で、炎がゆらめく、無数のアイスキャンドルに魅了された。その日のうちに曲のフレーズが浮かんだが、「命のともしびに見えた」(小沼さん)という情景を表現しきれず、完成しないまま年月が過ぎた。
昨年6月、映画音楽などで幅広く活躍する宮本さんとデュオを組み、CD(同11月発売、2520円)の収録が始まった。たまたま「もう一曲弾こうか」と音を合わせたのが「Ice-」。宮本さんのピアノと重ねることで、ピアノがろうそくの火、ギターが氷のイメージを表現し、納得のいく音にたどり着いた。
「Ice-」は、2分41秒の短い曲。ピアノとギターの高音が美しく、氷の中でろうそくの灯火がはかなく揺れる様子が目に浮かぶ。「やっと完成した曲。他収録の9曲も含め、幸せをもたらすようなアルバムになった」と小沼さん。浦島さんも「帯広のまちに興味を持ち、音楽として残してくれたのはうれしい」と話している。
(山岡瑠美子)