冬に土を凍らせて上手な畑管理
道総研 北見農業試験場 研究部 生産環境グループ
道総研 十勝農業試験場 研究部 生産環境グループ
冬に土を凍らせて上手な畑管理
1.成果の概要
(1)冬期間に雪踏みを行うことにより、野良イモの防除と土壌物理性の改善が可能です。
(2)生産者が凍結深を把握できる土壌凍結深推定システムを整備しました。
2.成果内容
秋まき小麦の上での雪踏みをすると、無処理(自然積雪)と比べて子実重は増加しないか、減収する場合もありました。減収した圃場では積雪深が浅いときに雪踏みを行っていたため、茎葉が損傷し、減収する要因となっていました(図1)。したがって、秋まき小麦圃場では積雪深20cm 未満での雪踏みを避けることで、効果的な野良イモ対策を実施することが可能です。
直播てんさい前の雪踏みにより砕土性は向上しますが、春の地温上昇が遅れるため、初期生育が劣ります。そのため収量の向上は期待できません。
重粘土圃場での雪踏みは砕土性が向上し土壌が膨軟化します。深さ20~30cm まで土壌が膨軟化することで、その後の飼料用とうもろこしの増収が期待できます(表1)。
土壌凍結深は十勝農協連が運用しているウェブサイトで確認できます(図2,https://www.jatokachi.jp/)。現在の凍結深と将来予測を確認しながら、雪踏みにご活用ください。
3.留意点
目標土壌凍結深は各作物とも30cm です。過度に凍結が深くなると春の作土の乾きや地温上昇の遅れが顕著になるので注意が必要です。
(成績名:土壌凍結深制御技術の適用拡大と技術体系化)
本技術内容についての問い合わせ先
道総研十勝農業試験場
電話(0155)62-2431
E-mail:tokachi-agri@hro. or. jp