札内南小の山川さん、長い髪を寄付 医療用ウィッグ協力
【幕別】病気や事故で髪を失った子どもたちに医療用ウィッグを無償で提供する「ヘアドネーション」に協力しようと、幕別札内南小学校2年の山川結子さん(8)が29日、伸ばし続けてきた髪をばっさりと切った。生まれて初めてショートボブスタイルになった山川さんは「友達に見せたい」とはにかんだ。
幼い頃からロングヘアだった山川さんは1年ほど前、母の友紀さん(34)に「ショートカットにしたい」と切り出した。北広島市に住む曽祖母の小澤美智子さんががん闘病中だったことから、友紀さんがヘアドネーションを提案した。寄付するには原則31センチ以上が必要なため、山川さんはさらに伸ばし続け、腰の位置に届くまでになった。
29日はヘアドネーションに賛同する町内の美容室「nico」(渡邉正代表)で、美容師の古川早紀さんがカットを担当した。6ブロックに分けて結んだ髪に古川さんがはさみを次々と入れ、山川さんは緊張した面持ちで鏡の中の自分を見つめた。シャンプー後、ショートボブに整えるため再び古川さんが髪を切り始めると、山川さんの表情は徐々に柔らかくなり、完成時には笑みがこぼれた。
「“さらつや髪”なので、極上のかつらができると思います」と太鼓判を押した古川さんは「(髪を切り人の役に立ったことは)大人になっても記憶に残るでしょうね」と笑顔を見せた。
切った髪の束を手にした山川さんは「長い」としみじみ。夏休みの自由研究として、ヘアドネーションの体験レポートもまとめる予定という。
友紀さんは「暑いのでさっぱりして良かった。ひいおばあちゃんにも写真を送りたい。こうした活動が広がってくれれば」と期待を込めた。(澤村真理子)