自慢のまなびや(帯工、緑陽、帯北、帯農) まちマイ南町中エリア編
■防災学習-帯広工業高校
帯広工業高校(金谷秀幸校長)は、防災学習に積極的に取り組んでいる。24日には事前に生徒に知らせずに避難訓練を行った。
自然災害の復興には「工業」の力が不可欠。将来、土木や建築など復興作業に携わる生徒も想定されることから、防災の知識を高めようと昨年からより実践的な防災学習を始めた。
昨年は1年生の宿泊研修で防災の「クロスロード」を行い、「ペットを連れて避難所に行くか」「避難するときに近所のおばあさんを見に行くか」などの問いを友人同士で考えた。
2年生は27日からの修学旅行で人と防災未来センター(神戸市)を行き先に予定している。この事前学習として避難所運営ゲーム「HUG」に取り組み、生徒の声を受けて管内の家庭科教諭を対象にした教育研究会でも実施。24日の昼休みに行った避難訓練では、生徒は飲み物などを手にしながらも無事に体育館に集まり、消防署から人の搬送方法など防災術を学んだ。
同校の鈴木康礼教頭は「こうした取り組みの内容を同校の防災マニュアルに落とし込み、より実践的なものにしていきたい」と話している。(松田亜弓)
■科学の祭典支えるボランティア-帯広緑陽高校
例年10月に帯広市児童会館で開催され、十勝管内の子どもたちに好評を博している「青少年のための科学の祭典帯広大会」。帯広緑陽高校は多数の生徒をボランティアスタッフとして派遣し、運営を支えている。
今年は1~3年生の希望者68人が参加。会場に並んだ38の科学実験ブースで担当教諭の補助に入った。「真空実験」では、大気圧によって内側がくぼんだ金属製の半球同士が接合部から離れなくなる「マグデブルグの半球」などが再現され人気を集めた。
同校の阿部龍史教諭(理科)は「来場者に原理の説明をした生徒は、段々と上手になった。自分なりに解釈し、相手に伝わるよう意識できていた」と当日の様子を振り返る。
小中学生や保護者ら1004人が訪れ盛況となった今大会は、順番待ちとなるブースも多かったが、案内や声掛けでも生徒たちは活躍した。
2年連続で参加した3年の小山寿嗣さん(17)は「科学の面白さや驚きを子どもと共有できる貴重な体験。喜んでもらえたことがうれしかった」と笑顔を見せた。(石川友史)
■「先輩」が学習指導-帯広北高校
帯広北高校(奥野淳一校長、生徒468人)では、帯広畜産大学の学生を招いた「チューター制度」で生徒の学習、進学をサポートしている。
制度は平日の放課後、自習スペースに大学生が常駐し、生徒の学習上の質問や進学に関する相談に答えるもの。同校の井尾孝志教頭は「10年ほど続く制度。教員による講習の後に利用する生徒も多い」と話す。
同制度を利用する和田亜留夢さん(2年)は「年が近いので質問しやすい。テストで良い点数が取れた」、木内稜さん(2年)は「問題を一緒に解いてくれるので新たな発見も多い」と話す。同校OBで約1年半チューターを続ける石田悟貴さん(帯広畜産大2年)は「後輩たちにはいろいろな世界を見てもらいたい。勉強のサポートを通じて、社会にはいろいろな価値観があるということも伝えたい」と語った。
(小山田竜士)
■中国から来校-帯広農業高校
帯広農業高校(二木浩志校長、生徒590人)に19日、中国の高校生約30人が来校した。環境保護や防災を学びながら親睦を深める交流事業「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環。帯広農業の森林科学科3年生37人が出迎え、苗畑や間伐作業などを披露して森づくりの大切さを伝えた=写真。
この事業で同校に訪れたのは初めて。日中両国の友好促進を目的に実施された。
この日は2グループに分かれて行動。このうち学校林を見学するグループには苗作りから枝打ち、間伐まで、学校林を1周しながら森づくりの行程を一通り見学できるコースを用意。各エリアで待っていた生徒が、訪れた中国の高校生に作業内容を説明した。
初めて見る作業に、中国の高校生は感嘆の声を上げた。以前、研修で外国を訪れた野口晶葉さん(17)は「イメージと違うことが行って見て分かる。こういう事業はお互いにとても良い機会」と話した。(牧内奏)