長江力投実らず 自ら先制打も…延長十回に痛打 夏の高校野球
【旭川】夏の甲子園を目指す第97回全国高校野球選手権北北海道大会は第1日は18日、旭川スタルヒン球場で1回戦を行い、開幕戦は帯緑陽がエース長江理貴(3年)が力投するも延長十回につかまり、打線も北見工の好右腕中川裕元(2年)を攻略し切れず、2-7で敗れ甲子園への夢が絶たれた。試合に先立ち行われた開会式では、昨年の代表校の武修館(釧根)を先頭に十勝支部代表の帯緑陽、白樺学園、帯柏葉など計16校が入場行進。選手を代表して帯柏葉の高橋北透主将(3年)が英語による選手宣誓をした。始球式は陸上北京五輪日本代表で旭川市出身の高平慎士選手が行った。
(岡部彰広、塩原真)
帯緑陽は初回1死から高田が右翼線二塁打。佐藤の三振で2死から長江の左中間三塁打で先制と好スタートを切った。二回には椿原の四球に暴投、米森の内野安打などで2死二、三塁から赤田の中前打で1点を追加し2-0とした。
追いつかれた後の三、五回に四死球から2死二、三塁の好機を得たが、生かせなかったのが響いた。三回以降は北見工の右腕中川の120キロ後半から130キロ台の直球と変化球のコンビネーションに的を絞れず、2安打に抑えられた。
エース長江は130キロ台半ばの速球を主体に、荒れ気味ながら力で押した。
三回2死無走者から球が高めに浮いたところを北見工の近田の二塁打に、田口の中前適時打、さらに二盗と細川の内野不規則バウンドによる適時打で同点に追いつかれた。
長江はその後、九回まで内野安打1本に抑えていたが、十回にこの試合初の先頭打者安打を許すなど1死満塁から、4番紀國の適時打を打たれ、勝ち越された。
代わった森秀も満塁からの暴投や押し出しの死球、2点適時打などを打たれた。
緑陽打線1点遠く
帯緑陽は力を出し切れないまま力尽きた。エース長江理貴(3年)が力投、もしも、三回のイレギュラー安打による失点がなければ、1点差で勝利を収めている可能性もあった。打線も一気に畳み込めず、相手エースの前に13三振を喫した。
田村潤監督は「1点勝負だと思っていた。序盤にもう1点取れなかったのは監督の責任。守備妨害とかでうまく打線がかみ合わなかった。もう少し楽に打たせてあげられたらよかった」と唇をかんだ。
堂々 英語で宣誓帯柏葉高橋主将
「ワンハンドレッドイヤーズアゴウ…」。帯柏葉の高橋北透主将(3年)が歴史に残る英語での選手宣誓をした。
まず日本語で「ビクトル・スタルヒンさんとベースボールに感謝の気持ちを込めて」と始め、続いてよどみなく英語で語りかけた。「100年前に高校野球が始まり(その節目に)スタルヒン球場に立てて幸せ」「私たちは甲子園に出る夢がある」「ファイティングスピリット、フェアプレー、フレンドシップにのっとりプレーすることを誓います」
「節目に印象に残る宣誓をしたかった」。1987年のセンバツで京都西(現・京都外大西)の上羽功晃主将が英語を交えて宣誓したことも気持ちを後押しした。英語教諭の森川孝廣監督にアドバイスをもらい、文を作り上げた。
チームメートに披露したときは「えっ」という顔をされたが、その後は思い切ってやれと励まされたという。前夜は午前0時まで宣誓の練習をした。「アクセントの間違いがあったが、発音を気にせずハキハキやろうと思った。いい宣誓ができた」。試合は第3日。「これまでは一人で緊張していた。これであとは試合に臨むだけ」と気合を込めた。
◆夏の甲子園 北北海道大会について
・第97回 夏の甲子園 北北海道大会-十勝毎日新聞電子版