とかち鹿追ジオパークが再認定 住民活動評価
【鹿追】有識者でつくる日本ジオパーク委員会は22日、東京都内で会議を開き、「日本ジオパーク」として認定済みの「とかち鹿追」について、11月の現地審査を踏まえて再認定した。
ジオパークは認定後、原則4年ごとに環境保全や観光、教育などへの活用状況などが審査される。体制が不十分の場合、認定が取り消されることもある。
2013年に新規認定されたとかち鹿追は、農業や観光関係者の連携が進み、地域の意見を吸い上げた運営が行われるなど、住民活動が高く評価された。今回は道内の「三笠」を含む全国9地域(条件付き2件)が再認定され、認定保留になっていた「島根半島・宍道湖中海」も新規認定となった。「栃木県北」は取り消しとなり、日本ジオパークは43地域となった。
◆ ◆
この日午後5時過ぎ、現地審査を担当した日本ジオパーク委員会の中川和之委員(時事通信社解説委員)から、鹿追町の町長室に再認定を伝える電話が入った。
吉田町長が「ありがとうございます」と話すと、詰め掛けた推進協議会員や町職員、町議から大きな拍手が起こった。外では花火が打ち上がり、町民にも防災行政無線などで結果が知らされ、祝福ムードに包まれた。
今回は住民活動が高く評価された一方、専門家の不在などが課題として指摘された。吉田町長は「まちづくり全体が評価された。再認定はわれわれに対する大きな励まし」とした上で、将来的な学術専門員の雇用にも意欲を示した。また、「地形の特徴や成り立ちを考慮した科学的根拠に基づく見どころ(ジオサイト)を整備していく。次の4年間で、日本ジオパークの先進地になれるよう努力する」と話した。(小寺泰介)
<ジオパーク>
地球の成り立ちが分かる地形や地層を自然公園として保存し、観光や教育に活用するものでユネスコが提唱。国内には日本委員会が認定する「日本ジオパーク」が43カ所あり、うち8カ所が「世界ジオパーク」に認定されている。
地球の成り立ちが分かる地形や地層を自然公園として保存し、観光や教育に活用するものでユネスコが提唱。国内には日本委員会が認定する「日本ジオパーク」が43カ所あり、うち8カ所が「世界ジオパーク」に認定されている。