自作の絵本を図書館に寄贈 鹿追高の蓮井さん、探求活動の授業で制作
【鹿追】鹿追高校(中川修司校長)3年の蓮井祥太さん(18)が11月28日、探究活動の授業で作った絵本を鹿追町図書館に寄贈した。蓮井さんが自宅で飼っているネコから着想を得た物語で、丁寧にネコの表情を描いて仕上げた。蓮井さんは「絵本を見て、町外の人にも(探究活動など)鹿追高校の取り組みを知ってほしい」と話している。(吉原慧)
子どもの頃から絵を描くことが好きで、漫画1巻を一コマ一コマ模写する趣味を持つ蓮井さん。生徒自らのアイデアで取り組みを行う同校の探究授業「鹿追サステナビリティ学」を活用して、絵本「トラきちはまだ…」を制作した。
ストーリーは、家で飼いネコをなでる実体験から「ネコはなでられることをどう思っているのか」と想像して、「なでられることが苦手なネコ」の目線で展開。ネコが鹿追のまちを歩き、家の外での飼い主の姿や、なでるときの飼い主の表情を見て、なでられることが好きになる物語を描いた。
文字や絵の配置は、漫画の模写で培ったレイアウト力を発揮。コマ割りのように細かくネコの表情を描いており、文字を読めない子どもでも主人公のネコの気持ちが想像できる。
絵はタブレット端末のアプリで水彩画風に描き、「(自身も)絵をまねるところから絵が好きになった」と、子どもたちが絵をまねしやすいように輪郭線を太く描いた。
校内コンペの結果、町が同校の探究授業に出す助成金を活用して20冊を製本。町図書館に1冊を寄贈した。早川昌映館長は「心温まるストーリーで、絵も素晴らしい出来栄え」と絶賛。郷土資料として収蔵し、しばらくロビーに展示した後は絵本のコーナーに設置する。蓮井さんは「高校や飲食店など、鹿追の風景も描いているので、多くの町民に読んでほしい」と期待している。
同館のほか、鹿追小など町内の小中学校、音更町図書館などに寄贈する予定。










