ばんえい競馬をドローンで撮影 実用化へ実証実験
ばんえい十勝(帯広市主催)は20日、ドローンを活用したレース映像撮影の実証実験を行った。昨年12月に初回の実験を行い、今回は2回目となる。帯広競馬場で「楽天競馬」を運営する競馬モール株式会社と2013年から毎年共同で行っている地域振興策「ばんえい十勝応援企画」の一環。
ばんえい十勝応援企画は楽天競馬でばんえい競馬の馬券を購入した際の売上金の一部を積み立て、さまざまな施策を行っている。今回はファンがレースを普段見ている定点カメラの映像だけではなく、別の角度でより臨場感を持って楽しんでもらうことが目的。
使用したドローンはDJI社の「Mavic3」。前回の実験で何種類か試行し、競走馬と騎手への影響を最小限に抑えるため、音が小さい小型の同機種が選ばれた。
午後3時ごろに5頭立てで模擬レースがスタート。ドローンは馬が興奮しないよう、1枠から外側約7メートル、上空15メートルの場所で浮上し、操縦を担当した楽天の寺師弘樹さんはスタンド反対側のコース外に位置して撮影した。特にトラブルはなく、模擬レースは終了。寺師さんは「1、2回目と事故なく無事終了したが、相手は生き物。これから何度も実験を重ね、より安全に撮影できるようにしていく」と話した。
同社事業統括課の新名貴之さんによると、実際のドローン活用については模索中。ファンがレースを見返す際に、上空からの別アングルで勝ち負けに至った理由をより深く知ってもらうなど、ネットなどで視聴できるようにする見込み。
ばんえい振興室の滝沢仁室長は「模擬レースで走ったのは古馬だったが、新馬は音などにより敏感でさらに撮影は難しくなる。馬と騎手への影響を考慮し、ファンのためにもドローンを活用した映像を提供できるよう協力したい」と話している。(山田夏航)