ロケット新射場建設へ大樹の条件の良さ認識 河村元官房長官来社
ロケットの新射場建設候補地の検討に向け、大樹町多目的航空公園内の宇宙航空研究開発機構(JAXA)大樹航空宇宙実験場などを視察した自民党の河村建夫元官房長官(同党政務調査会宇宙・海洋開発特別委員長、地方創生実行統合本部長)が8日、十勝毎日新聞社を訪れた。
「今、射場は九州にあるので、北に1つという考え方が良いのでは」と述べ、大樹町が気象、地勢などの条件面で優れているとの認識を示した。安全保障や宇宙ビジネスなどの観点からも射場建設の必要性を強調した。
河村氏は国内のロケット射場が現在、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所と種子島宇宙センターのみであることについて、「宇宙先進国では3、4カ所の射場を持つことが常識になっている。危機管理上の面からも鹿児島だけでは足りない」と話した。「宇宙政策は安全保障、宇宙産業、宇宙科学技術の3点セットで進めるべきだ」とし、さらに予算を増やす必要があるとの考えを示した。
大樹町での宇宙関連の取り組みには「大変熱心にやっている」と感心し、「4000メートルの滑走路を造れば超音速航空機の試験場にも使える」と語った。
また、地方創生は人口、雇用対策などを重視し、「地方へ本社機能を移行した企業を税制面で優遇するなどの方法が考えられる」と述べた。十勝については農業に期待を寄せ、「後継者を育て、産業化して、輸出を目指していかないといけない」とした。中川郁子衆院議員が同行した。
(津田恭平)