大樹でJAXA 大気球7基放球計画
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、大樹航空宇宙実験場(町多目的航空公園内)で今年度予定している実験計画を説明した。大気球は7基を放球する予定で、宇宙ガンマ線や惑星の観測、宇宙からの再突入システム研究などに挑む。
JAXA宇宙科学研究所の吉田哲也教授と同研究開発本部の藤井謙司・飛行技術研究センター研究領域リーダーが同実験場で、報道機関向けに説明した。
大気球実験は第1次(23日~6月25日)に2基、第2次(8月8日~9月18日)に5基を放球する。このうち第2次に実施する再突入システム研究では、高高度からアポロ型カプセルを落下させ、誘導に必要な技術を検証する。今年度の1基目は28日以降に放球され、長時間の飛翔が可能な「タンデム気球」と呼ばれる新型気球の研究開発を行う。
航空関連では新たに、ロケットエンジンなどによる将来的な輸送システムの開発に向け、ラジコンを使った実験を行う。昨年度に引き続き、垂直離着陸(VTOL)無人航空機の飛行実験や、ジェット機の騒音計測技術試験も予定している。
吉田教授は「インパクトのある実験もあり、順調に計画を進めていきたい」と話している。(佐藤圭史)