大樹でスペースポート研究会立ち上げへ
【大樹】NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC、伊藤献一理事長・札幌)と大樹町が、「スペースポート研究会」の立ち上げに向けて動き出している。「北海道スペースポート計画」の実現に特化して中央に要望する組織。“オール北海道”で夢の実現を目指そうと行政、関係団体、企業、大学などと調整を進めている。発足は来年5月を予定。
関係者によると、近年「大樹にロケットの射場を」と唱える専門家が増加。HASTICや町が参加した全国各地の展示会でもスペースポートに対する期待感は年々大きくなっているという。「計画の実現に向けて機運が高まっている」(町企画課)ことから、地域一丸となって取り組もうとしている。
HASTICと町は、11月に準備会を札幌市内で4回開催。道と十勝の自治体、経済界、教育機関、女性団体などが連携し管内での航空宇宙産業基地の実現を目指す「十勝圏航空宇宙基地構想研究会」(会長・米沢則寿帯広市長)がオブザーバーとして参加した。今後も企業、大学などに参加を働き掛けていく。
伊藤理事長は「内閣府は現在、宇宙基本計画(2013~17年度)を策定している。スペースポート計画がスムーズに推進できるような計画を検討するよう要望を続けたい」と話している。(関根弘貴)
北海道スペースポート計画
大樹町多目的航空公園を次世代航空宇宙実験場「北海道航空宇宙多目的飛行センター」として拡充する計画。HASTICが03年に提唱した。スペースポートとは宇宙と地球を自由に行き来する港で、次世代航空機や宇宙機を開発するための滑走路延長、ロケットを打ち上げる射場の建設などを盛り込んでいる。