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就活繰り下げ 戸惑う学生と大学

基礎キャリア教育のグループ討議で意見を交わす帯広畜産大の学生たち(26日)

 2015年春卒業の大学生(現在の3年生)の就職活動が12月1日に解禁されるが、学生たちの就職をめぐっては16年春卒業(同2年生)から活動時期の繰り下げが決まっている。帯広畜産大学(長澤秀行学長)では、現在2年次に行っている基礎キャリア教育を早めることも検討しているが、学生や担当者からは「ルールはきちんと守られるのか」「遅すぎるよう気がして不安」など戸惑いの声が上がっている。

 大学生の就職活動は、現在、3年次の12月に会社説明会などで実質的に解禁となり、4年生になった翌年4月から面接などの選考活動が解禁される。しかし、今年10月に経団連が16年春卒業以降の学生に対する新たな指針を決め、会社説明会の解禁など企業側の広報活動は3年次の3月、選考開始は4年次の8月にそれぞれ繰り下げられる。

 対象企業は経団連に所属する全企業。学生たちの学業専念の時間確保を目的とした指針だが、従わない企業への罰則規定は無く、動向が読めない大学側と学生に不安を与えている。

 帯広畜産大では、実践的な授業で企業の即戦力となる学生を育成することを狙いに、共同獣医学課程(定員40人)と畜産科学課程(同210人)の1年生全員が動物の解体実習を行なっている。就職率は年々上昇し、今春卒業の学生では97・5%(両課程平均)。就職先は農業団体や食品・飼料などの製造業、公務員と幅広い。

 同大では、早い時期に学生が「働くこと」へ理解を深め、進路選択の参考にしてもらおうと、2年次に基礎キャリア教育(選択科目)を行っている。就職情報会社「マイナビ」担当者による講演や模擬面接、グループ討論などで、学生たちの意識付けに大きな役割を果たしている。

 就職支援室長の柳川久教授は「単科大学なので。就活に対し意識的な統一感がある」としながらも、就活時期の繰り下げには「どのようになるかは企業の動向次第。まずは、学生を不安にさせない取り組みが最優先」と話す。学務課は「ルールが守られず、不利益を被る大学や学生が現れないか心配。キャリア教育の授業を、来年度入学の1年生から必修科目にすることも検討している」という。

 26日には基礎キャリア教育の最終講義が行われ、「働く」をテーマに参加した学生約40人がグループ討議を展開した。2年生の若松亜依さん(20)は「6歳上の兄から『当時は3年生の初めから就活の準備を進めた』という話を聞いた。4年生になる直前の3月からだと、遅すぎるのではないかと思う」と不安を話している。(高津祐也)

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  • 専門家による講義やグループ討議など行なわれる2年生の「基礎キャリア教育」

    専門家による講義やグループ討議など行なわれる2年生の「基礎キャリア教育」

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