松崎町が十勝食材追加 ふるさと納税返礼品
帯広市の姉妹都市・静岡県松崎町は、ふるさと納税の返礼品として、10月をめどに十勝の特産品を新たに取り扱う。品数を増やし、税収アップにつなげたい考えで、受注を請け負う帯広物産協会(有塚利宣会長)も「地場食材の情報発信や販路拡大につながる」と期待する。道によると、姉妹都市の関係にある自治体が、返礼品に提携先の特産品を使うケースは道内では例がない。
松崎町は現在、ふるさと納税の返礼品として、帯広市にも毎年送っているポンカンや甘夏などの果実類、干物といった海産物など約100品を扱っている。一方、畜産・農産物の取り扱いは少なく、品物の選択肢を増やし食を充実させることで、納税者の満足度を上げ町の税収増につなげる狙い。同町から打診を受けた帯広市が同協会を紹介した。
今回は2万円の納税者を対象とした返礼品で、取り扱う品物は、畜産品の詰め合わせ2種類。同協会が同町の返礼品向けに詰め合わせたオリジナルセットで、やまさミート(帯広)が交雑種「十勝四季彩牛」と十勝黒豚、五日市(帯広)が畜産加工品や豚丼のたれなどを詰め合わせている。
畜産品に限ったのは、天候不順や8月の台風の影響を考慮し、農水産品に比べて供給量が気候に左右されにくく、より安定的に供給できるため。今後はジャガイモやアスパラといった旬の農産品など、取扱品目も増やす方向で調整を進めている。
発送品には同協会の販売サイト「ギュギュッと十勝」のシールを貼るほか、リーフレットも同封する。これを機に同サイトのアクセスやリピーター増にもつなげたい考えだ。
同町は長野県松本市安曇野地区とも地域交流を進めており、野沢菜やそばなど同地区の特産品も同時に扱い始める。同地区との事務手続きが終わり次第、両自治体の特産品取り扱いがスタートする見通し。
同町企画観光課の深澤準弥課長補佐は「われわれは小さな町。子どもの交流だけでなく、経済面でも連携を強化していきたい」、同協会の木戸善範次長は「十勝産品を周知するまたとないチャンス。大口受注にも対応できる体制を整えていきたい」と話している。
(安倍諒)