多目的航空公園展示場整備へ 大樹町
【大樹】町は今年度、多目的航空公園内に展示室と集会室などの機能を併せ持つ「多目的航空公園展示場」(仮称)を整備する方針を固めた。航空宇宙に関する取り組みのPR施設、各種視察の受け入れ場所として活用する。「宇宙のまち・大樹」ならではの展示物の常設も検討している。建設費3990万円を盛り込んだ補正予算案を8月議会に提出する予定。議決を得られれば、今年度中に着工・完成させる方向。供用開始は来年度となる見通し。
観光客や各種視察に対応するため、町独自の施設建設に向け、以前から検討を進めていた。
同公園には観光客に航空宇宙の取り組みをPRするものはほとんどなく、自由に使えるトイレもない。「せっかく大樹に足を運んでくれた人が航空宇宙の取り組みに対して何の理解を得られないままになっているケースも多かった」(関係者)という。
また、同公園内で町が所有している建物は格納庫のみ。自治体、議会、大学、老人クラブなどの視察受け入れ時には宇宙航空研究開発機構(JAXA)の飛行管制塔を借りていた。昨年度、町が対応した視察数は34件624人で、今年度は10件300人(7月末現在)。
展示場(木造平屋、約160平方メートル)には展示室、集会室、事務室、トイレを設置。展示室には航空宇宙の取り組みについてPRできるものを常設したいとの考えから、航空宇宙関係者に展示物の提供・借用について打診している。集会室は42人を収容でき、視察などの受け入れ場所とする。建物内の備品に関する詳細は決まっていない。
建設地は現在の駐車場を活用できるよう隣接する南側の草地にする方向で調整している。建設費の2分の1は、道の「地域づくり総合交付金」を活用する。
町は「宇宙のまち・大樹について、多くの人に少しでも理解してもらう場所にしたい」(企画課)としている。(関根弘貴)