帯農高生の「あんかぼべーグル」全道入賞 来年商品化、管内のコープでも
帯広農業高校(佐藤裕二校長)の農業科学科3年生のチーム「帯農リベンジャーズ」が、第12回高校生チャレンジグルメコンテスト(5日、札幌)でコープさっぽろ賞に輝いた。受賞作品「あんかぼベーグル」は大賞や準大賞を含め入賞8作品で唯一商品化され、一般向けに販売される。(大谷健人)
同コンテストは、高校生による地元食材を使った創作料理レシピを競うもの。道内19校が応募し、1次選考を通過した11校が今月5日、札幌市内で行われた本選に出場した。管内からはほかに上士幌高も出場し入賞した。
帯農チームは、細野宏旗さん、三野宮暉さん、安村龍之介さん、工藤陸翔さん、高井苗々葉さんの5人。「あんかぼベーグル」は、昨年の3年生が帯広大谷短大と共同開発し、昨年の同コンテストに出場した「あんかぼサンド」を引き継いだ。満寿屋商店からアドバイスを受けて改良した。
パン用の大半が春まき小麦であることに着目し、同校で栽培した十勝の主力である秋まきの「ゆめちから」「きたほなみ」を使い生地にした。規格外品のカボチャを使用するコンセプトは変えず、パン生地からもちっとしたベーグルに変更。カボチャのスライスをあんに変え、小豆のあんとクリームチーズとともにはさんだ。サツマイモスライスもあんに変えることがアドバイスされたが、サクサクとした食感を残したいというチームの思いから変更しなかったという。
チーム全員が農業後継者候補で「小麦の栽培には自信があるが、(同校の)食品科学科とは違って料理は不慣れ。何度も失敗した」とリーダーの細野さん。試作初期は小麦粉の配合分量を間違い、まったく膨らまないベーグルになるなど初歩的なミスも多かったが、試作を重ねて自信作に仕上げた。
チーム名の「リベンジャーズ」は、昨年惜しくも入賞を逃した前3年生の思いも受け継ぐ意味を込めた。大会では審査員から「昨年よりも確実に進化している」「(他作品の試食も重ねる中でも)完食することができた」と高評価を得た。
生徒は受賞を機に「十勝産食材をPRしていきたい」(細野さん)、「農作物を育てている自分たちが、パンを作ったことに意味があると思うので将来の活動の参考にしたい」(三野宮さん)、「作品についてプレゼンをする中で、改良点も見つかったので、これからも改善していけたら」(安村さん)と新たな意欲を燃やす。
コープさっぽろ来年3月に販売
生活協同組合コープさっぽろ本部(札幌市)によると、商品化、一般販売は来年3月の見込み。十勝管内でもかしわ店、ベルデ店、さつない店で販売が予定されている。