薬剤師会がワクチン接種協力へ研修
道薬剤師会十勝支部(宇野雅樹支部長)は、新型コロナウイルスのワクチン接種に向け、薬剤や注射器の取り扱い方法の研修会を開いている。接種の協力体制を整えているが、調剤薬局の薬剤師には慣れない作業もあり、手順や注意点を確認している。
コロナワクチンの接種で厚生労働省は、薬剤師会に対して薬剤の管理や注射器への充填(じゅうてん)などへの協力を依頼している。同支部でも各自治体や医師会と連携して接種体制づくりを進めている。
ただ、病院勤務の薬剤師に比べ、一般の調剤薬局ではワクチンの薬剤や注射器を扱う機会が少ない。ファイザー製のワクチンは、超低温の保管や希釈の必要性、6時間以内の接種といった厳しい管理が求められている。同支部はこれまでに研修会を4回開いて140人が参加した。
23日からは帯広第一病院で、市内調剤薬局の薬剤師7人が順番に研修している。医療従事者以外の接種が近づく中、実践的な練習が必要だと同病院の渡辺浩明薬剤部長が提案。ワクチンの空き容器と実際に使う生理食塩水、注射器を用いて手順を確認している。
渡辺部長は「小さなバイアル(容器)内で希釈し、少量ずつ何度も抜き取るなど、インフルエンザのワクチンとは異なることが多い」と説明。参加したまつもと薬局管理薬剤師の大野伴和さん(44)は「細かい注意点があって慣れることが大事だと思った」と充填の練習を繰り返した。
同支部は今後も研修の機会を設ける方針。宇野支部長は「ワクチン接種は総力戦でやらなければいけない。いかに安全に管理して供給していくか、しっかり技術を向上させたい」と話していた。(安田義教)