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浦幌のアイヌ団体が河川でサケの捕獲

丸木舟に乗り網を引き揚げるラポロアイヌネイションのメンバーら(20日、新井拓海撮影)

 【浦幌】浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」(旧浦幌アイヌ協会、長根弘喜会長)は20日、道からの許可を得て町十勝太を流れる浦幌十勝川で、自作の丸木舟を使ってサケの捕獲を始めた。同団体として河川でサケを捕獲するのは初めて。

 この日は、長根会長(35)らが早朝に刺し網を3カ統敷設し、午前と午後に引き揚げた。午前11時ごろに行った最初の網揚げで雄のサケ1匹を捕獲できた。

 同日午後からは、同団体のメンバーら約10人と市川守弘弁護士(66)ら関係者も参加し、「アシリチェプノミ」(サケを迎える儀式)を執り行った。一行は、午前中に捕獲した雄のサケと、用意していた雌のサケを前に、祈りをささげて神々に感謝の意を示した。

サケへの感謝をささげながら儀式を執り行うメンバーら

 儀式後、長根会長ら2人が乗った丸木舟を船外機付きの船でえい航し、午前中に敷設した刺し網を引き揚げた。午後はサケを捕獲できなかった。長根会長は「川でのサケの捕獲ができたことを心の底から喜んでいる」と話していた。

 今回のサケの捕獲は、アイヌの伝統文化継承が目的。地元漁協の同意を得た上で、道は漁獲量200匹を上限に1カ月間の漁期を許可した。同団体は21日以降も引き続き上限に達するまでサケの捕獲を続ける。

 同団体は、伝統文化の継承とは別に、アイヌ民族が経済活動として川の河口部でサケを捕獲することは先住権の一部だとして、国と道に、サケ漁を禁じる法律などが適用されないことの確認を求め、札幌地裁に提訴している。

 弁護団代表の市川弁護士は「(ラポロアイヌネイションのメンバーらが)自分たちの手でアイヌ文化を発展させていこうと頑張っている。しっかり見守りたい」と話している。(内形勝也)

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  • 丸木舟に乗り網を引き上げるラポロアイヌネイションのメンバーら(20日、新井拓海撮影)

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