帯広厚生病院の新病院が開業 道東の拠点病院目指す
帯広厚生病院(菊池英明院長)の新病院が5日午前9時に開業した。1945年に島田病院を譲り受けて発足して以来、全面移転は38年ぶり3度目。午前8時から実施したオープニングセレモニーでは、JA北海道厚生連の西一司会長が「新病院は十勝はもちろん、道東の拠点にもなる医療機関。患者の皆さんに選んでもらえる病院にする」と決意を語った。
JA北海道厚生連が全道に展開する医療機関の中で最大の高度急性期病院。新設の緩和ケア病棟を含め、651床を持つ。2016年3月に着工し、18年10月に市内西14南10に完成した。地上10階建て、延べ床面積6万3500平方メートルで、快適な療養環境と働きやすい職場を整備。最新の医療機器をそろえた。
オープニングセレモニーには、西会長と菊池院長が出席。病院職員らも緊張した面持ちで参加した。来賓は十勝地区農業協同組合長会の有塚利宣会長、十勝農協連の山本勝博会長、米沢則寿帯広市長、高橋正夫十勝町村会会長が出席した。
祝辞を述べた有塚会長は「医療の充実は地域に住む人の安心、安全を実現し、心を満たす。新病院を開業してくれた厚生連と、病院の皆さんに心から感謝したい」と話した。
午前8時半にメインエントランスが開放されると、早朝から並んでいた住民らが一斉に院内に。赤ちゃんと共に訪れた帯広市内の石田綾奈さん(30)は「新しくきれいな病院になって、うれしい。子どもの健診でお世話になるし、今まで札幌で受けていた手術なども帯広でできるようになることを期待している」と話した。
患者らを出迎えた菊池院長は「今までは『質の高い医療』を実現するためのハードを整える作業をしてきたが、今後はソフトの作り込みが始まる。思い描いたプランを実現できるよう、気を引き締めて臨みたい」と語った。(奥野秀康)