「思い出」修理 1000点超え おもちゃ病院 佐藤さん高橋さん
笑顔のため 無償で
帯広市の会社員佐藤英司さん(49)と元テレビカメラマン高橋章さん(72)が2014年から市内で開いている「帯広おもちゃ病院」の修理総数が、4月で1000点を超えた。壊れたおもちゃを無償で修理するボランティアとして活動し、約4年。2人は子どもたちのため、今後も自分たちのペースで修理を続けていく考えだ。
佐藤さんと高橋さんは東京に本部を置く「日本おもちゃ病院協会」の会員として活動。同協会の紹介で出会い、4年前から市グリーンプラザ(公園東町3)で毎週土曜日、市民活動プラザ六中(東11南9)では第2・第4火曜日におもちゃ病院を開設している。
これまでに直したおもちゃは、2人合わせて1026点。依頼主は管内が中心で、プラレールなど主に電池で動く子ども向けのおもちゃを修理してきた。
佐藤さんは複雑な回路の修理を、高橋さんは電気関係の作業を得意とする。修理の際、最も神経を使うのが「他の部品を傷つけないようにすること」(高橋さん)。依頼を受けてその場で修理できるおもちゃもあるが、部品の接着に時間を要したり、回路の修理が複雑なものなどは3日間以上かかる場合もある。
農業系の会社員として働く傍ら修理の活動をする佐藤さんは「あくまでメインは高橋さん」。その高橋さんは「もう年だから。最近のおもちゃの修理は佐藤さんがいなければやっていけない」と話すなど、互いに助け合いながら修理に精を出してきた。
10年前にお祝いでもらったオルゴールを3人目の子どもにも使わせたいと、5日、修理を依頼した池田町の阿部ひとみさんは「今は製造中止になっており、思い入れもあるのでとても助かる」と喜ぶ。「捨てるのは簡単。たいていのものは直せる」と高橋さん。子どもたちの笑顔を楽しみに、今後も2人の“ドクター活動”が続く。(本田龍之介)