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1億円被害者も ジャパンライフ問題

2次被害への注意を呼び掛ける渡辺弁護士

 磁気治療器の預託商法を展開していたジャパンライフ(東京)が巨額の負債を抱え、事実上倒産した問題で、十勝管内でも被害の相談が相次いでいる。釧路弁護士会が2月15日に始めた法律相談には2週間で管内から10件の相談があり、被害額は多い人で1億円に上る。同弁護士会は「相談は氷山の一角。被害者は相当数いるはず」とし、被害者からさらに金を引き出そうとする2次被害への注意を呼び掛けている。

 同弁護士会によると、十勝での相談は70、80代の高齢者が多く、被害額は300万~1億円。ジャパンライフは預かり金名目で顧客から多額の金を受け取り、その中から磁気治療器や寝具などの販売を続けていたという。帯広にはジャパンライフの店舗があり、友人の紹介ということで安心し、投資を始めた人が多いとみられる。

 数千万円の被害に遭った管内の80代女性は「エステに行かないか」と友達に誘われ、ジャパンライフ帯広店を訪れた。詳しい説明がないまま契約したが、「毎月配当金が入り、通帳を見るのが楽しみだった」と振り返り、毎月のように商品を購入した。

 昨年11月ごろに預かり金の返金を求めたが、ジャパンライフはさまざまな理由をつけて応じなかった。会社倒産報道後の12月には帯広店で説明会があり、担当者は「遅れているが、3~5年で預かり金は返す」と説明したという。

 女性は「倒産するとは思わず、腹が立つ。諦めてはいるが、年金生活なので、わずかでもお金が戻ってほしい」と切実に願う。

 消費者庁などは、ジャパンライフ関連法人による被害拡大や、「手数料を払えば金を取り戻せる」などとして金銭を支払わせる2次被害への注意を促している。釧路弁護士会消費者保護委員で、本別ひまわり基金法律事務所の渡辺紘生弁護士は「被害の実態把握と2次被害防止が重要になる。今後は札幌の被害対策弁護団と連携していきたい」と話す。

 被害相談は釧路弁護士会帯広会館(0155・66・4877、平日午前9時~午後5時)で受け付けている。面談は原則有料だが、相談者の経済状況によっては法テラスの無料相談を利用できる。(池谷智仁)

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