協会病院の医師丸山さん クラブユースサッカーで選手見守る
帯広市などで開催中の中学生世代のサッカークラブ日本一を決める大会「第31回日本クラブユース選手権」で、帯広協会病院総合診療科の医師丸山大地さん(28)が、選手を見守るドクターとして活躍している。自身も中学時代に同大会にエントリーしたこともあるかつてのサッカー少年は、将来は宇宙飛行士のドクターを目指し、来年には米航空宇宙局(NASA)で研修も行う異色の経歴を持っている。
丸山さんは福岡県八女市出身。サッカーは幼稚園から始め、中学3年のとき所属クラブが第17回大会に出場を決めた。ケガで大会には出られなかったが、その後プロ選手を目指して、イギリスのニューカッスルへスポーツ留学に赴いた。
しかし、世界中の猛者を目の当たりにし、「これは世界が違う」とプロへの夢を諦め帰国。その後高校でもサッカー部に所属し、福岡大学の医学部に進学。卒業後、福岡県内の病院に務め、4月から帯広協会病院で勤務している。
今回は同大会のドクター申し入れが同病院にあり、二つ返事で快諾。サッカーに選手以外で初めて関わった。自身の経験から「ケガの具合にもよるが、試合にはなるべく出させてあげたい」と、適切な初期診断と、病院との密な連携を心掛けている。
一方、宇宙にも幼少期から興味があり、「将来の夢の絵にサッカー選手と宇宙飛行士を描いていた」。3月に「宇宙航空医学認定医」の資格を取得。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が募集する宇宙飛行士の健康管理を担う「フライトサージャン(FS)」を目指し、来年にNASAで1、2カ月の研修に参加する予定。FSは日本人は6人ほどしかいないという。
丸山さんは、「宇宙と医学は密接な関係。将来は誰でも宇宙に行けるようになる時代になる。宇宙に携われる仕事もできればうれしい」と目を輝かせている。
(藤島諒司)