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帯広ジムの小林卓おやじボクシング王者、千葉も初勝利

R-40のライト級チャンピオンになった小林卓(左から2人目)と同スーパーフェザー級でデビュー戦勝利を挙げた千葉晃二(右から2人目)。帯広ジムの仲間たちから祝福を受ける

 30歳以上のボクシング大会「第8回ザ・おやじファイト札幌大会」(6月19日・札幌マルスジム、実行委員会主催)R-40(40歳以上50歳未満)のライト級(60・1~62キロ)タイトルマッチで、帯広ジム(中橋邦夫会長)所属の小林卓(47)が、田所大介(40)=旭川・TFBC所属=に3ラウンド制(1R2分)、3-0の判定勝ちを収めチャンピオンになった。また同ジムの千葉晃二(48)は、R-40のオープン戦スーパーフェザー級(58・1~60キロ)で、武良洋(49)=札幌・K&K所属=に2ラウンド56秒、TKOでデビュー戦勝利を飾った。中橋会長は「帯広ジム初のおやじチャンピオンが誕生するなど思い出深い大会になった」と喜んでいる。(内形勝也)

◆初のチャンピオン小林卓「妻や仲間に感謝」
 小林は2009年の道内初開催の札幌大会で勝利、14年の同大会も快勝した。オープン戦で2勝以上挙げた選手に権利が与えられるタイトルマッチを今回制し、帯広ジム初の“おやじチャンピオン”になった。「支えてくれた妻やジムの仲間たちに感謝したい」と喜んだ。

 試合の第1ラウンド(R)は緊張もあって硬くなり、手数が少なかったが、セコンドに気合を入れられ、2、3Rはジャブで間合いを保ち、接近戦では左アッパーと左ストレートでポイントを稼ぎ、3-0の判定勝ちを収めた。

 試合の2カ月ほど前から食事の量を半分に制限するなど、1キロの減量に取り組みつつ、74Rのスパーリングをこなした。さらに仕事やジムのトレーニング後に夜間にロードワークもこなし試合に臨んだ。

 小林は、帯広養護学校教諭。立命館大時代は重量挙げの選手だったが、卒業後、当時現役だった米国のプロボクサーのマイク・タイソンに憧れ、28歳からジムに通うようになった。サウスポーのファイタータイプで、しっかりとガードを固め、ジャブから左ストレート、左アッパーのコンビネーションで相手を仕留める。

 小林は「(道外にいる)病床の妻にも報告したい。チャンピオンベルトはジムに置いてもらいたいと思っている」とうれしそうに笑った。

◆千葉晃二、石のようなパンチでTKO勝利
 千葉は、おやじファイトデビュー戦を白星で飾った。会社員のため、仕事の都合でしばらくボクシングから離れていたが昨年5月、15年ぶりにジム通いを再開した。中橋会長が、「硬いパンチ」と形容する石のようなパンチを武器に前へ前へ突進するファイタータイプで、オープン戦も自慢の拳でTKO勝ちした。「怖さもあったが、ジムの仲間の励ましで克服できた」と笑顔を見せた。

 仕事を終え、ジムでのトレーニングがない夜などに、週2、3日は1回につき20~30キロのロードワークをこなした。仕事との両立は難しさがあるが「ボクシングはもはや生活の一部なので苦にならない」ときっぱり。

 デビュー戦のリング上で行われる勝利者インタビューでは、応援に来ていた長女の華楓さん(札内南小6年)と次女の楓香さん(同2年)をリングに上げて喜びを分かち合った。「勝てて最高の気分。体が続く限り続けたい」と次戦を見据え、闘志を燃やしている。

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