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日野自動車がコモンレールのディーゼルエンジン寄贈

寄贈されたコモンレールシステムのディーゼルエンジに興味深そうに見入る学院生

 道立帯広高等技術専門学院(山本厚志学院長)に、コモンレールシステムの最新ディーゼルエンジンが寄贈された。同学院では自動車整備科の座学や実習に使用し、最新の知識・技術を持った自動車整備士の育成に役立てる。

 寄贈したのは日野自動車(東京)と東北海道日野自動車(帯広、菅原啓介社長)。主に2トン車に利用される排気量4リットルのエンジンで、19日に同学院で寄贈式が行われた。

 コモンレールシステムのディーゼルエンジンは、従来のエンジンより高圧で圧縮した燃料を「コモン(共通)レール」を通じてエンジンに送り込み、高い燃焼効率を実現した。ディーゼル車の排ガス規制が厳しくなる中、燃料の完全燃焼で「すす」を減らし、環境基準を達成するために開発された。2000年ごろから各社で開発が始まり、近年はディーゼルエンジンの主流となっている。

 同学院にはこれまで従来のディーゼルエンジンはあったが、コモンレールシステムのエンジンはなかった。学院生が取得を目指す自動車整備士資格の学科試験(今年は3月20日)では近年、時代に合わせて同システムに関する出題が比重を高めており、同エンジンに関する知識や技術の習得が課題となっていた。

 こうした背景や、東北海道日野自動車が昨年、ダカールラリーに32回連続で出場している菅原義正さん(日野チームスガワラ)の講演会を同学院生向けに企画するなど交流があり、今回の寄贈が決まった。

 19日の寄贈式には自動車整備科1、2年の学院生39人と、日野自動車の伊藤慶太地域担当部北海道地区担当部長、菅原社長らが出席した。伊藤部長は「(エンジンが利用されるトラックによる)物流は生活になくてはならないインフラ。それを支える人材に育ってほしい」、菅原社長も「若者の車離れが言われる中、大型車に興味を持つ人が増えれば」と話した。

 式後、学院生は日野自動車の技術の粋を集めたエンジンに目を輝かせ、細部まで見入った。同科1年の佐々木涼多さん(18)は「大型のエンジンは迫力がある。今、コモンレールシステムのディーゼルエンジンを学んでいるところ。実物でさらに勉強したい」と意欲を見せた。(大谷健人)

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