桑井歓喜、女子7人制ラグビー日本代表リオ五輪決定
サクラセブンズが五輪決めた。女子7人制ラグビーのリオデジャネイロ五輪アジア予選東京大会最終日が29日、東京・秩父宮ラグビー場で行われ、日本は決勝でカザフスタンに14-7で勝ち、香港大会に続く優勝を決めた。両大会の総合ポイントで1位となり、アジアの女王として夢の舞台へ挑む。幕別町出身の桑井亜乃(アルカス熊谷-立正大大学院、中京大、帯農高出)は両大会の全12試合で先発出場。リオでも主力としての活躍に期待が高まっている。(松村智裕)
◆桑井奮闘、優勝決めて泣き、泣いた
泣いた。涙をぬぐってまた泣いた。優勝の瞬間、ベンチからピッチに駆け込み、スタンドにいる家族を見つけた途端に感情がこみ上げた。「今までの練習やいろんな人の支えを思い出した」。カクテル光線が桑井亜乃のくしゃくしゃになった顔を照らした。
リーグ最終戦では桑井がトライを決めたもののカザフスタンに5-7で惜敗した。カザフスタンとの決勝は雪辱の舞台となった。決勝は予選より3分ずつ長い10分ハーフ。桑井は「試合時間が長くなれば、持久力のある日本が勝つ」と自信を持っていた。
前半3分、スピードに乗った山口真理恵がゴール前へ。止められたがこぼれ球を拾ったのが桑井だった。素早く右へ展開し、中村知春主将の先制トライにつなげた。桑井は前半で退いたが、出場時間帯には相手の巨漢選手を倒すなど気迫の守りを見せ続けた。チームは後半に同点とされた後、小出深冬が守備の穴を見つけて決勝のトライ。相手の追撃を許さず、5809人の大観衆に歓喜を届けた。
日本代表は年間200日近くが合宿や試合に費やされる。午前6時からのウエートトレーニングなど厳しい4部練習も乗り越え、桜の戦士たちは「まるで家族のよう」(桑井)という強い連帯感で結ばれている。
「この4、5年で選手たちの体と心が大きく成長した」と浅見敬子ヘッドコーチ。アジアを制したが、桑井は「オリンピックでメダルを取ることが私たちの最終目標。私自身はプレー時の落ち着きが課題。パススキルももっと上げたい」とさらに高みを見据える。
12月3日から始まるワールドシリーズ第1戦に向け、チームは30日にドバイへ出発。世界3位の豪州などと対戦する五輪前しょう戦が早くも待ち構える。桑井は「強豪との距離を測りたい。そして世界に追い付き、追い越したい」と、日本を熱狂させたエディー・ジャパンに続く“金星”への青写真を描く。
◆女子アイスホッケー日本代表から寄せ書き
決勝戦直前、アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」の選手23人による応援の寄せ書きがサクラセブンズへ贈られた。
寄せ書きには、桑井が以前所属していたフルタイムシステム御影グレッズの3選手のメッセージも。GK近藤真衣は「今までやってきた事を120%出し切ってリオに行ってください。応援しています」、FW小野粧子は「ハードワーク!! 強い気持ちで頑張ってください」と激励。DF武田莉奈は「リオに向かってファイトです!! 応援しています!!」に続いて、「あのちゃん頑張って下さい!!」と桑井への思いを記していた。
両日本代表を応援する太陽生命保険が企画。スマイルジャパンのGK小西あかね(SEIBUプリンセスラビッツ)と太陽生命の田中勝英社長が、日本ラグビーフットボール協会の本城和彦代表委員会オリンピックセブンズ部門長に手渡した。
(29日)
◇リーグ戦
カザフスタン(5勝) 7(0-5 7-0)5 日本(4勝1敗)
【カ】000001100778
TGPD前TGPD後計反
【日】100050000055
香港(2勝3敗) 36-7 スリランカ(1勝4敗)
中国(3勝2敗) 57-0 グアム(5敗)
◇順位決定戦
▽5、6位決定戦
スリランカ 12(0-5 12-5)10 グアム
▽3、4位決定戦
中国 19(12-5 7-5)10 香港
▽決勝
日本 14(7-0 7-7)7 カザフスタン
【日】1100711007142
TGPD前TGPD後計反
【カ】0000011007712
▼ランキングポイント(2大会合計)
(1)日本12
(2)カザフスタン10
(3)中国7
(4)香港7
(5)スリランカ3
(6)グアム3
※同ポイントの順位は大会規定による。2~4位は来年の世界最終予選へ。