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キタノタイショウ3度目の正直V ばんえい記念

大河原和雄騎手の気合を受けて怒涛(どとう)の追撃。先行馬を次々に抜き去りゴールに向かうキタノタイショウ(塩原真撮影)

 ばんえい十勝は22日、最高峰の重賞レース「農林水産大臣賞典第47回ばんえい記念」(BG1)を行い、2番人気のキタノタイショウ(牡9歳、服部義幸調教師、大河原和雄騎手、馬主は羽幌町・木下英三さん、生産者は豊頃町・衣原国雄さん)が終盤の3頭抜きで鮮やかに逆転勝利し、3回目の挑戦で栄冠を勝ち取った。タイムは3分49秒9(馬場水分2・4%)。2着に4番人気のニュータカラコマ(牡7歳、村上慎一調教師、藤野俊一騎手)、3着に1番人気で昨年優勝のインフィニティー(牡9歳、金田勇調教師、鈴木恵介騎手)が入った。今回がラストランのホッカイヒカル(牡11歳、坂本東一調教師、阿部武臣騎手)は9着だった。

 序盤は(1)インフィニティー、(8)キタノタイショウが引っ張りながら各馬、刻みながら進行した。第2障害では最初に(10)フジダイビクトリー(牡7歳、松田道明騎手)が仕掛け、(1)も早めに挑んだが膝を折って立て直した。じりじりと各馬は上り、真っ先に(10)がクリア、それに(6)ニュータカラコマ、(1)が続き、少し間を置いて(8)が降りて追撃を開始した。

 (10)は後続を引き離そうとスピードを上げるも残り20メートル付近で失速し始めた。(8)は猛烈な勢いで(1)、(6)を抜き去ると、残り10メートルを切った地点で止まっていた(10)も捉え、そのまま鮮やかにゴールした。(8)は新馬の頂点を決めるイレネー記念(09年度)でも優勝しており、両レースとも優勝を果たした馬はばんえい史上では3頭目となった。

悲願の優勝を果たしたキタノタイショウ。馬の左が服部義幸調教師(塩原真撮影)

大河原騎手 勝利へ執念 「借りを返せた」
 新馬の時から力を誇るキタノタイショウが3度目の正直で、ばんえい競馬の頂点に立った。初出場の一昨年は3着、昨年は1番人気ながら5着と、実力を見込まれつつも、これまで優勝になかなか手が届かなかった。服部調教師にとってもこれが初のばんえい記念優勝で、「このレースだけは勝ちたかった。大河原騎手や厩舎(きゅうしゃ)の皆の、私に勝たせたいという思いも伝わってきた。うれしいの一言に尽きる」と優勝を喜んだ。

 大河原騎手も、ばんえい記念ではサカノタイソンで勝利した第33回以来、実に14年ぶりの優勝となる。また昨年のばんえい記念はけがのため騎乗できず、「病院のベッドの上で悔しい思いをしていた。ようやく(調教師や関係者に)借りを返すことができた」と、ほっとした様子を見せた。

 レースについて大河原騎手は「(午前中に雪が降ったため)タイムは4分を切るだろうと思っていた」と読み、4番手で第2障害を降りても追撃に自信があった。フジダイビクトリーに先行されていたゴール20メートル手前でも、勝利を確信していたという。

 服部調教師は「大河原騎手がキタノタイショウに休みを惜しまず密着して調教していたので、調整は任せていた」と騎手への信頼を見せた。

 同騎手はキタノタイショウについて「厩舎に来たときから臆病だった。その(慎重な)性格がレースにうまく生きている」と大河原騎手は語る。服部調教師も「スタッフや騎手の緊張や不安が伝わりやすい性格なので、こちらは平常心で接する」と心掛け、馬の特性を生かしながらスターホースをさらに輝かせる決意だ。(大木祐介)


◆ばんえい競馬について
ばんえい十勝-公式ホームページ
ばんえい十勝劇場-WEB TOKACHI
【レース結果】「第47回ばんえい記念」(BG1)結果-ばんえい十勝公式ホームページ

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