食で体感実りの秋 管内4市町で収穫祭盛況
【新得・帯広・音更・浦幌】「実りの秋」が最盛期を迎え、十勝管内は28日、各地で収穫祭など食にまつわるイベントが開かれ、各会場は多くの来場客でにぎわった。新ソバを使ったそばを味わい、農産物販売や地場産食材を使った料理などが人気を集め、来場客は十勝の農業の恵みと、豊富な山の幸・海の幸を実感していた。
◆手打ちそば屋台村に行列、しんとく新そば祭り
第13回しんとく新そば祭り(実行委員会主催)が28日午前10時から、町保健福祉センター・なごみ前駐車場で行われた。
町内のそば店と腕自慢の愛好者による「手打ちそば屋台村」には10店が並び、来場者は各店を“はしご”しながら食べ比べ、今月に収穫したばかりの香り高い新そばに舌鼓を打った。帯広市の西山晃さん(68)ひろ子さん(63)夫妻は「どの店もおいしく3、4杯は食べれそう」と話していた。
また、わんこそば大会では男女ペアの部で帯広から参加した西川創(はじめ)さん(31)森田節子さん(55)の母子ペアが96杯で優勝。西川さんは昨年、妻のかおりさん(25)とのペアで優勝しており、2連覇を果たした。
そばを使ったお菓子などを提供する「そば茶屋」や新得地鶏などの地元特産品、トムラウシ温泉の足湯体験も盛況で、来場者はそばだけでなく新得の魅力を満喫した。(大野篤志)
◆子供向け料理教室も、音更でみのりーむフェス
音更町のアグリアリーナでは午前10時から、地産地消と食育をテーマとした「みのりーむフェスタおとふけ2014」(実行委主催)が開かれた。
子供向けの料理教室「おおそでくんキッチン」(町食のモデル地域実行協議会主催)では、音更産小麦のナンを使った「ナンドック」を調理。子供たちは小麦を使った料理や石臼挽(ひ)きなどを学んだ後、キャベツの千切りやナンを焼く作業に挑戦した。帯広明和小6年の佐々木佳乃さんは「小麦粉にはたくさん種類があることに驚いた」と話していた。
会場では音更産食材を使った飲食ブースに来場客が集まった。音更蕎麦(そば)研究会はかき揚げそばを販売、来場客は出来たてのそばをおいしそうにすすった。(深津慶太)
◆「日本最大」の餅まきに興奮、浦幌ふるさとのみのり祭り
「第39回ふるさとのみのり祭り」(町観光協会主催)が28日午前10時からうらほろ森林公園で開かれた。“日本最大級”をうたう餅まき「みのりまき」などが行われた。
みのりまきは2回合わせて3万個、360キロの餅を水沢一広町長ら14人が高さ4メートルのやぐらから豪快にまいた。餅には秋サケなどの当たり券が入っており、来場者は懸命に拾い集めた。
会場では浦幌産の秋サケ、今年産の金時豆などが格安で販売され、皮ごとを炭火であぶる「焼きとうきび」、町内の農家による大判焼きなども人気だった。黒豆の枝豆を6000円分購入した釧路市内の女性は「4年前から祭りで購入している。浦幌の枝豆は甘く、安心して食べられる」と話していた。午後の歌謡ショーには歌手の橋幸夫さんらが出演、秋サケのつかみ取りも行われた。(平野明)
◆野菜の収穫体験、帯広で交流センターまつり
「とかち大平原交流センターまつり」は午前11時から同センター(帯広市川西町基線61)で開かれ、親子連れらが野菜の収穫体験や秋の味覚を満喫した。
消費者が生産者と交流して農業への理解を深めてもらおうと、みどりの村振興公社や市などが主催した。
カボチャやトマトなどの農産物直売、地元食材を使ったうどん販売、ばんえい十勝のPR馬リッキー号による馬耕が人気を呼んだ。
ジャガイモと長ネギの収穫体験も行われ、帯広藤幼稚園の藤芳陽仁ちゃん(6)は「楽しかった。ジャガイモはカレーにして食べたい」と話していた。(池谷智仁)
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