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臼井2年連続2冠、三好十勝中学新 全道中学陸上

【女子200メートル】連覇を決めた臼井文音(中央)。コーナーを周ったところで悠々とトップに躍り出る

 全道中体連陸上競技最終日は30日、千歳市青葉陸上競技場で16種目の決勝を行い、女子200メートルで臼井文音(帯南町2年)が25秒02で優勝し、100メートルと合わせて2年連続2冠を達成。同100メートル障害は、1年生の三好あい菜(清水)が2位ながら14秒59の好タイムをたたき出し、佐藤彩香(駒場)が持っていた14秒63の十勝中学記録を10年ぶりに更新するとともに全国標準記録を突破した。男子200メートルでは、すでに全国標準記録を突破している天城陽太(池田3年)が22秒71で2位となった。臼井、天城、女子走り幅跳びの高橋芽愛(札内3年)、三好の4人は、8月18日から香川県丸亀市で開かれる全国大会に出場する。(岡部彰広)

 

【女子100メートル障害】十勝記録樹立と全国切符を手にした三好あい菜は笑顔があふれる

2位で全国「頭真っ白」 三好
 「来年頑張ろうと思っていたので…本当にびっくり。頭が真っ白です」。女子100メートル障害で三好あい菜が14秒59の十勝中学新記録を樹立するとともに全国標準記録(14秒85)も突破、全国大会出場選手の仲間入りを果たした。

 昨年の全国小学生大会80メートル障害で5位の実力を持つが、5月の中学初レースでは「速い人にテンポを合わせて失敗」と18秒85。ここから快進撃が始まった。足の痛みで激しい練習は控えてきたが、「太ももが太くなった。筋肉は付いていたのかな」。大会を前に16秒08まで自己ベストを更新していた。

 今大会は調子の良さを自覚していた。前日の100メートルで自身初の12秒台に突入し、8位入賞。この日も「跳ねて力をロスすることがなかった」とハードルを跳ぶリズムがいいことを確認し、準決勝で追い風参考記録ながら14秒89まで記録を伸ばした。

 決勝では昨年の全国2位、ジュニア五輪覇者の村岡柊有(釧路景雲3年)が隣のレーンにいた。スタート直後は4、5人に先行されたが慌てなかった。「去年全国に行って、前に人がいても力まないで走れるようになったので」。自分のペースを崩すことなく、最後は2位グループを抜け出してゴールに飛び込んだ。

 風速は、記録が公認されるぎりぎりの追い風2・0メートル。十勝陸上競技協会の都鳥秀史情報委員会委員長(鹿追中教頭)は「1年生の十勝記録も珍しいが、学年別でも全国3位に相当する記録」と話す。清水の大橋裕一監督も「気持ちや村岡さんの存在などいろいろなものがうまくはまったのかな。今は目が点です」と話しながら、喜びを隠しきれない様子だ。

 三好は「全国では転ばないようにしたい。来年は村岡さんたちがいなくなるので、1位をとれればいいな」と1年生らしく屈託なく笑った。

 抜群の加速 危なげなし 臼井
 ○…2位に0・8秒の大差をつける危なげない勝ちっぷりだった。女子200メートルを制した臼井文音は「準決勝では集中して走れなかったので、決勝でできたらいいなと思っていた」と会心の笑みを見せた。

 スタートは向かい風。追い風に変わった残り100メートルのストレートで一気に加速した。走るたびに自己記録を更新しているが、またもや自己新の25秒02をマーク。追い風3・9メートルのため公認記録にはならなかったが、「(どうせなら)風がもうちょっと吹いて24秒台がでたら良かったのに」と表情を緩ませた。

 この大会で女子100メートル、200メートルの3年連続2冠達成者はまだいない。「来年は学年が一番上になるので負けられない」と意欲を見せた。

 

【男子200メートル】2位に入った天城陽太(左)の力走

競り合いで力み猛追も及ばず 天城
 ○…男子200メートルは、すでに全国出場権を得ている天城陽太がゴール前で猛追及ばず2位。自己ベストを0・02秒更新したが「優勝したかった」と残念がった。

 競り合いになると力む悪い癖が出てしまった。「十勝では前を走る人がいないのでリラックスして走れるのですが…」。今回の悔しさを全国大会にぶつける。「ストライドをもう少し伸ばせば速くなるのでは。22秒50ぐらい出したい」と意気込んだ。

 

高橋芽愛

足首痛響き5位「これが今の力」 高橋
 ○…女子走り幅跳びは、今大会の出場者ランキング2位で出場の高橋芽愛が、足の痛みの影響で記録を伸ばせず5位に終わった。

 すでに全国標準記録を突破しており、目指すは全道チャンピオンだった。しかし、今季ずっと痛めていた踏み切り足の右足首が今回も不調。「助走の最後の3歩で速く入れなかった。板にもしっかり乗れなかった」。1年生2人の優勝争いを尻目にしての残念な結果に、涙があふれ出た。「悔しいが、これが今の力。全国大会で自己ベスト記録を狙いたい」と話していた。

 

大沼和樹

付いていけた
男子800メートル3位の大沼和樹(下音更3年)の話

 スローペースから2周目にスピードが上がったがついていけた。全国標準記録(2分1秒50)を切れなかったのは悔しいが、最後の100メートルで1人抜くこともできた。高校で頑張り、インターハイに出場したい。


<決勝>(8位まで・2位以下関係分)
【男子】
▽200メートル
(追い風3・7メートル)
(1)大西真之助(札幌八条)22秒53
(2)天城陽太(池田)22秒71
▽800メートル
(1)石田光輝(札幌西岡北)2分4秒29
(3)大沼和樹(下音更)2分6秒47
(8)藤沢凱(帯西陵)2分11秒05
▽3000メートル
(1)佐々木速斗(北斗上磯)9分4秒25
▽110メートル障害
(1)山田大地(函館桔梗)14秒84
(5)丸次悠太(下音更)15秒38
(6)二階堂陽輝(清水)15秒46
▽400メートルリレー
(1)札幌あいの里東44秒51
▽走り高跳び
(1)北城拓実(江別中央)1メートル85
(5)星輝斗(札内)1メートル76
▽砲丸投げ
(1)長谷川圭亮(千歳富丘)14メートル09
(4)竹中一晃(池田)11メートル69
▽四種競技
(1)福島真人(深川一巳)2549

【女子】
▽200メートル
(追い風3・9メートル)
(1)臼井文音(帯南町)25秒02
▽800メートル
(1)池田真羽(函館本通)2分15秒32
(8)尾西陽菜子(札内東)2分23秒24
▽100メートル障害(追い風2・0メートル)
(1)村岡柊有(釧路景雲)13秒95
(2)三好あい菜(清水)14秒59
(8)大野のどか(瓜幕)15秒45
▽400メートルリレー
(1)札幌前田49秒67
(3)帯南町(岸田美優、星野未羽、酒寄奈緒子、臼井文音)51秒07
(6)清水(高橋実久、三好あい菜、三好ゆき菜、工藤美紀)51秒87
▽走り高跳び
(1)金丸妃菜(厚岸真龍)1メートル63
▽走り幅跳び
(1)町井愛海(北斗浜分)5メートル53
(5)高橋芽愛(札内)5メートル23
▽砲丸投げ
(1)山戸朱莉(八雲落部)13メートル23
(4)久保田亜由(池田)11メートル28
▽四種競技
(1)玉置菜々子(札幌屯田北)2581
(5)三好ゆき菜(清水)2142

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