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近代マジックの父の書を入手 坂本ビルの坂本社長

松旭斎天一が書いたとみられる書と坂本さん

 坂本ビル(帯広)社長でアマチュアマジシャンの坂本和昭さん(56)が日本近代奇術の祖、松旭斎天一(1853~1912年)が書いたとみられる漢詩の掛け軸を入手した。人気番組「開運!なんでも鑑定団」(TVh)から出演依頼があるなど注目され、坂本さんは「真筆だと思われるが、実際の価値がどのぐらいなのか知りたい」と話している。

 松旭斎天一は明治時代に活躍した奇術師で、日本マジック界の源流とされる人物。弟子にマジシャンで奇術用品メーカー「テンヨー」創業者の松旭斎天洋、孫弟子には初代引田天功や坂本さんの師匠ジミー忍(聖忍)などがいる。

 坂本さんは昨年12月、インターネットオークションで掛け軸を見つけて落札した。出品者は掛け軸を扱う店で、「(出品者も)誰が書いたか分からなかったとみられ、表示に『奇術師』などの文字がなかったため、マジック愛好家に気づかれなかった」とみる。

 漢詩には「軍」「百戦」などの文字が登場し、戦争についてつづったものとみられる。書の左側には「庚子(かのえね)秋季於淡洲福良鳴海舘書 旭天一」と記され、1900(明治33)年の秋に淡路島の三原郡福良町にある鳴海館で書かれたことが推測される。

 坂本さんが文献を調べてみると、「奇術師一代 松旭斎天一の生涯」(品川書店)に全く同じ内容の漢詩の写真が天一自作のものとして紹介されていた他、「天一一代 明治のスーパーマジシャン」(NTT出版)には、同年9月に天一が淡路島福良町の鳴海館で興行したことが記されていた。文献には、天一が舞台で即席の漢詩を揮毫して観客に与えていた様子も記されており、坂本さんは真筆であると確信する。

 坂本さんが自身のブログで掛け軸について紹介したところ、6月下旬に同番組のディレクターから出演依頼の電話があった(現時点で出演は未定)。坂本さんは昨年11月には天一の漢字4字の書を入手しており、こちらは鑑定の結果、真筆と分かっている。

 坂本さんは坂本ビル内でマジック博物館開設の準備を進めており、「掛け軸は博物館の目玉になる」と話している。
(澤村真理子)

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