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移住の高田さん、読書クラブ立ち上げ 池田

「学木草庵」(餓鬼想庵)と命名した自宅と、愛読書を手にする高田さん

 【池田】東京から昨年5月に池田へ移住した高田學さん(67)が読書クラブを立ち上げ、入会を呼び掛けている。高田さん学生運動の渦中で青春時代を送り、社会へ鋭い問題意識を持つ。「今の時代は、自分が理解したいように世界を理解する“反知性主義”が横行している」と述べ、活字を通じて事実を見極め、知性を磨く大切さを強調している。

 高田さんは、神奈川県鎌倉市の生まれ。65年に北大に入学し、工学部を卒業後、釧路高専で2年間、教官を務めた。その後、父親が創業した東京の工務店の経営を引き継いだが、後継者が育たず、2012年5月に廃業した。

 自給自足の生活に興味を持ち、両親も他界したため学生時代を過ごした北海道への単身移住を決心した。池田を移住先に選んだのは、東京に残る妻、則子さんの故郷である釧路市と近いため。

 「ワインのまち池田町移住促進協議会」(町商工会)の紹介で昭栄の空き住宅を購入し、木をふんだんに使って大改修。「学木草庵」(餓鬼想庵)と命名した。自宅敷地は約1900平方メートルあり、畑には自給自足を目指して野菜やソバなどを植え、ヤギ、ニワトリも飼育。「小麦でパンを焼いてみたい」と田舎暮らしの楽しみは尽きない。

 高田さんが本を読むようになったのは大学に入学し、映画「戦争と平和」を見てトルストイの原作を読んでから。夏目漱石、有島武郎らの文学書の他、当時の学生運動に影響力を持ったマルクス関係の書物とも向き合い、好きな作家に深沢七郎を挙げる。「大学生がまだエリートとみなされていた時代。学生には、教養書を読むのが務めとしてあった」と振り返る。

 2006年に「団塊世代ブログ 本から人生の栄養を」を立ち上げ、自身の読書ノートを発表している。「読書の大切さを、本を読まなくなった若い世代へアピールできれば」と読書クラブを立ち上げた理由を説明する。

 クラブでは毎月1、2回の例会を開き、担当者が決められた本の読書ノートを発表し、それを基に会員が意見や感想を述べる。それぞれ読んだ本を紹介し、情報交換の場にする。町教委主催の「遊ゆう大学」で呼び掛けを始め、一般の人の入会も視野に入れ、会員を募っている。

 高田さんは「小説、随筆、思想、歴史、自然科学など人生を豊かにする本を取り上げたい」と話している。(平野明)


◆北海道池田町 定住、移住について
定住や移住に関する情報(ワンストップ窓口)-池田町公式ホームページ

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