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男子1部500m長谷川連覇 氷上インカレ

【男子1部500メートル2回目】ホームストレートを力強く滑る日大の長谷川翼(白樺学園高出)。自身の大会記録を塗り替えた

 第86回日本学生氷上競技選手権(日本学生氷上競技連盟、帯広市、帯広市教委主催)第1日は6日、明治北海道十勝オーバル、帯広の森アイスアリーナ、帯広の森スポーツセンターの3会場で競技を行った。スピードスケート男子1部500メートルは長谷川翼(日大2年-白樺学園高出)が1回目、2回目ともに大会記録を更新し、合計71秒63で2連覇を達成。準優勝は村上右磨(北翔大3年-帯工高出)、3位には後藤卓也(日大1年-帯農高出)が入り表彰台を十勝出身選手が独占した。女子は2回目に大会新記録となる39秒94で1位だった永田希絵(高崎健大1年-帯南商高出)が準優勝、男子2部では居城和樹(信州大2年-同)が準優勝した。アイスホッケーは1回戦14試合を行い、帯畜大が岡山大を7-3で下し、32年ぶりの初戦突破を果たした。フィギュアは女子Cクラスに斎藤加奈子(共立女子大2年-札幌聖心女子学院高、帯一中出)が出場し17位だった。第2日の7日は午前のスピードスケート女子3000メートルで高橋菜那(山梨学院大-白樺学園高出)が大会新の4分20秒30で優勝。アイスホッケー2回戦第1試合は、帯三条高出の津田博俊(4年)が主将を務める京産大が八戸工大に6-10で敗れ、8強入りはならなかった。フィギュアは男女Aクラスのショートプログラムなどを行った。(小寺泰介、宮木宗久、金野和彦)

<スピードスケート>
“大学世界一”の貫禄
長谷川

 ユニバーシアード冬季大会(昨年12月・イタリア)を制し“大学生の世界一”となった長谷川翼が、期待通りの滑りで会場を沸かせた。大会新記録を2本そろえ、国内の同世代では敵なしだ。

 昨年12月のソチ代表選考会(長野県)は7位で敗退。「気持ち、技術ともオリンピックに行く選手には足りなかった。逆にやる気がもっと出た」と沸々と闘志が湧いてきた。ただ、ジャパンカップ第1~3戦、ユニバーシアード冬季大会から代表選考会まで連戦が続き「ここにきて体力が落ちている」という。

 200メートルをすぎて足が動かなくなり、「後ろから足音が聞こえて焦ってしまった」。最終コーナー入り口で失敗したが、今季力を入れて取り組んだスタートの貯金を生かした。最初の100メートルは、2本とも出場者唯一の9秒70台で通過。「調子が悪くても勝てたのは収穫」と冷静に振り返った。

 ソチ五輪代表を逃してもなお「これからは、自分が引っ張る選手に」という意欲がみなぎる長谷川は「今のタイムには満足していない。35秒半ばで戦いたかった」と優勝にも気を緩めることはない。アジア距離別選手権(11、12日・苫小牧)での戦いを見据えて「後半のスケーティングを修正したい」と、表彰台を狙っている。

【女子500メートル2回目】トップスピードで第1コーナーを回る高崎健大の永田希絵(帯南商高出)。大会新記録をマークした

苦境乗り越え500準優勝
永田

 ○…挫折を乗り越えた21歳の1年生、永田希絵が初めてのインカレで躍動した。

 女子500メートル2本目で、出場者唯一の39秒台をマーク。五輪代表選考会で自身初の39秒台に突入して以来、2大会連続の好記録に「ステップアップできている」と口調も軽やかだった。

 日本電産サンキョーを1シーズンで契約解除になった後、「やれることは全部やって終わりたい」と1年間の浪人生活を経て、今春高崎健大に入学したばかり。昨季は帯広スケート連盟に籍を置きながら競技を続ける不安定な期間が続いたが「苦しいときがあったからこそ、精神的にも強くなれた」と振り返る。

 まずは今大会の総合優勝に貢献することを第1目標に掲げ「来季はW杯代表にも選ばれる選手になりたい」と、新しい仲間に囲まれて力を伸ばしている。

男子500メートル1部優勝準優勝の村上右磨(北翔大-帯工高出)、優勝の長谷川翼(日大-白樺学園高出)、3位の後藤卓也(日大-帯農高出)=左から。十勝勢が表彰台を独占した

自分の滑り心掛けた
男子500メートル1部準優勝・村上右磨(北翔大3年-帯工高出)の話

 インカレで初の表彰台。2本目は焦らず自分の滑りを心掛け、100メートルを自己ベストの9秒81で通過できたことが逆転につながった。年末から体調不良で練習できず苦しんできたので、いい結果が出てよかった。

雪辱果たせた
男子2部500メートル準優勝・居城和樹(信州大2年-帯南商高出)の話

 学生選手権(昨年12月・群馬)で1本目に転倒して不本意な結果に終わっていたので、雪辱を果たすことができた。去年は4位だった1500メートルで優勝したい。


(4位以下関係分)
【男子】
◇1部500メートル
(1)長谷川 翼(日大-白樺学園高出)71秒63((1)35秒82・大会新(1)35秒81・大会新)
(2)村上 右磨(北翔大-帯工高出)72・10((3)36・22(2)35・88・大会新)
(3)後藤 卓也(日大-帯農高出)72・18・以上大会新((2)36・19(3)35・99・大会新)
(6)小室拓也(明大-白樺学園高出)73・56((8)36・91(6)36・65)
(8)戸田真也(山梨学院大-白樺学園高出)73・610((7)36・83(9)36・789)
(10)今野明星(専大-池田高出)74・03((9)37・05(12)36・98)
(12)岩城暁(北翔大-白樺学園高出)74・34((11)37・30(13)37・04)
(13)森本拓也(日体大-池田高出)74・400((14)37・57(10)36・833)
(14)松田知記(同-同)74・93((15)37・64(14)37・29)
 
◇2部500メートル
(1)中尾 光杜(信州大)72秒63((1)36秒46(1)36秒17)
(2)居城 和樹(信州大-帯南商高出)74・22((3)37・28(3)36・94)
(3)下向 航平(東洋大)74・26((5)37・61(2)36・65)
(5)中山航(大東大-帯三条高出)74・77((4)37・36(5)37・41)

【女子】
◇500メートル
(1)黒岩 美生(日体大)80秒34((1)40秒25(2)40秒09・大会新)
(2)永田 希絵(高崎健大-帯南商高出)80・39・以上大会新((2)40・45(1)39・94・大会新)
(3)関口 莉菜(高崎健大-帯南商高出)80・76((3)40・50(3)40・26)
(4)澤田芽依(山梨学院大-帯三条高出)81・00((4)40・55(5)40・45)
(5)桜井萌美(日体大-白樺学園高出)81・03((5)40・71(4)40・32)
(7)辻本有沙(信州大-白樺学園高出)81・30((6)40・74(8)40・56)
(12)阿部美沙希(山梨学院大-白樺学園高出)83・16((12)41・42(12)41・74)



【1回戦・帯畜大-岡山大】第3ピリオド11分、ハットトリックとなるミドルシュートを放つ帯畜大のFW原田官市(右)

<アイスホッケー>
帯畜大32年ぶり白星 原田が3得点
帯畜大

 ○…開催地枠で出場した帯畜大は、30人を超えるOBらの声援の中、チーム唯一のアイスホッケー経験者、原田官市(1年・帯大谷高出)の3得点などで岡山大を破り、自力出場だった第54回大会以来となる1回戦突破を決めた。

 例年、選手の大半が大学から競技を始めるため、石井洋監督は「技術では勝てないので、走り込み中心の練習でスピードを磨いてきた」と力を込める。

 この日は第1ピリオド7分に原田が1人でパックをゴール前まで持ち込んで先制点を挙げるなど、豊富な運動量を武器に得点を重ね、ピンチには「1点取られてから、落ち着いてプレーができた」というGK寺門祐弥(4年)が好セーブを見せた。

 原田は「最初は緊張もあったが、上出来の結果」と笑顔を見せ、小森悠司主将(4年)は「毎日練習を見てくれた石井洋監督に感謝している。自分たちにできる精いっぱいの試合をしたい」と7日の2回戦で関東学生リーグ2位の強豪・早大に挑んだ。

◇1回戦
帯畜大 7(1-0 3-1 3-2)3 岡山大

▽得点者
 【帯】原田3、平2、八島、是枝
 【岡】阿部、片山、中谷
▽アシスト
 【帯】平、掛村、泉
 【岡】寺尾、石本、久谷、井上優
▽反則
 【帯】5
 【岡】3
▽シュート数
 【帯】30(14、9、7)
 【岡】40(9、11、20)
▽審判=小野崎、田代、橋本


苫小牧駒澤大 4(1-0 2-0 1-0)0 専大
日体大 11(4-1 4-0 3-0)1 愛知学院大
八戸工大 7(0-1 4-1 3-2)4 関学大
京産大 4(0-0 3-0 1-3)3 東海大
明大 15(6-0 5-0 4-0)0 久留米大
早大 19(4-0 7-0 8-0)0 神戸大
法大 6(1-0 3-0 2-0)0 北陸大
同志社大 8(4-0 2-1 2-0)1 神奈川大
札大 3(0-0 0-1 2-1 GWS 1-0)2 日大
立教大 7(3-0 4-1 0-0)1 近大



【女子Cクラス】中学2年以来となる大会で伸びやかな演技を披露した斎藤加奈子

<フィギュア>
最初で最後の舞台を楽しむ
斎藤

 ○…女子Cクラスの斎藤加奈子(共立女子大-札幌聖心女子学院高、帯一中出)は、笑顔を絶やさず伸びやかな演技を披露。「楽しみながら滑ることができた」と満足げな表情だ。

 中学時代は帯広フィギュアクラブに所属し、全道中学大会Bクラスで優勝経験もあったが、高校では競技から離れていた。

 同大に進学した際、大学にフィギュアのクラブがあることを知り、「競技ではなく楽しみとして滑ることができれば」と加入し、クラブの仲間の勧めもあり、今大会の出場を決めた。

 演技では高校3年間のブランクと練習不足もあり、順位は振るわなかったが、「同大の短大2年なのでインカレは今回が最初で最後。家族やクラブの仲間の応援も力になり、最後に良い思い出になりました」と笑顔を見せていた。

(2位以下関係分)
【男子】
◇Bクラス
▽個人戦
(1)西井克宗(立命館大)64・74
▽団体戦
(1)立命館大9点
 
◇Cクラス
▽個人戦
(1)當麻創太(東北福祉大)43・90
▽団体戦
(1)東大35点

【女子】
◇Bクラス
▽個人戦
(1)浅見和(東京家政大)63・09
▽団体戦
(1)慶大44点
 
◇Cクラス
▽個人戦
(1)辰己舞(同志社女子大)39・98
(17)斎藤加奈子(共立女子大-札幌聖心女子学院高、帯一中出)27・51
▽団体戦
(1)同志社女子大37点

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